平成21年3月20日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「遠出」  中西保子 選
男は旅小学五年汽車に乗る みぎわはな
一寸そこまでロスアンゼルス一まわり 青木公輔
徘徊と手ぶらの遠出間違われ 倉田雄登美
一本の傘で二人は遠出する 豊野光子
遠出してはるかに遠い人に会う 森本佳子
遠出した母の土産がたんとある 室田隆司
遠出するサイクリングも君となら 倉田雄登美
遠出した諭吉一葉戻らない 長野峰明
一寸そこまでと云って帰って来ない 水田象介
花便り遠出の誘い連れて来た 水田蓉子
雨上り二万歩目差すスニーカー 辰巳和子
青い空ぶらり丹波路蟹料理 吉川千穂
奈良へ行く記念切符を手に持って 青木公輔
遠出から帰り大の字青畳 中桐徹
お疲れを土産に遠出から戻る 河原野折杭
遠出して自分探しになった旅 水田蓉子
遠出する夫婦が守る車間距離 上村さな恵
遠出の妻めしも食べずに眠りこむ 樋口祐子
妻の遠出にメモが十枚置いてある 廣嶋英子
イチローをちょっと応援日米戦 長川哲夫
フルムーン心の会話取り戻す 井上登美
口紅を変えると遠出したくなる 上村さな恵
遠出する野山は芽吹き深呼吸 奥西勇人
老いたりな花見も安く近いとこ 上野五柳
円相場世界の地図とニラメッコ 河合敏夫
遠出だと気分変えてる遊園地 斎藤功
遠出する車は春の真ん中へ 奥西勇人
地図を見て心の中で遠出する 吉安陽子
老婦人姉妹で遠出は墓まいり 佐々木たみ子
遠出より釘煮と決めたスケジュール 小山紀乃
東北へ旅の頭上を鳥帰る 上野五柳
とんぼ追いやんちゃ盛りが帰らない 黒嶋海童
病み上り遠出をねだる車椅子 河合敏夫
恋心手押し車で遠出する 豊野光子
遠出するつもりの靴の紐結ぶ 黒嶋海童
晴れ続く遠出いかがとカレンダー 村岡義博
若田さんの声が空から降って来る 長野峰明
佳ラ 嫁ぐ娘へ母はしつけの糸を解く 長川哲夫
遠出したはずの夫が三の宮 中桐徹
高速が安いぞ近場はやめにする 室田隆司
カレーライス煮込んで遠出の旅に出る 山田信子
ブルートレイン遠出を告げて帰らない 村岡義博
事故に遭い遠出も遠出向う岸 長野峰明
いつからか電車に乗るともう遠出 斎藤功
ちょっと遠出したら家出だと騒ぐ 廣嶋英子
遠出した記憶母とたんぽぽ摘んだ日よ 中西保子

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兼題  「見込み」  中井康弘 選
見込みあるサムライジャパン優勝だ 倉田雄登美
見掛けほど頼り甲斐無い蒙古斑 みぎわはな
給付金見込み湯の旅予約する 黒嶋海童
少しでも見込みがあれば賭けてみる 辰巳和子
泣くもんか僕は男と見込まれる 豊野光子
勝つ見込み口一文字原ジャパン 宮本喜明
見込みより賞与少ない年の暮れ 黒嶋海童
見込み違い互いにあってまだ夫婦 上野五柳
その先を問うから見込み消えていく 吉川千穂
見込みない恋に山茶花焦れ咲く 花田俊枝
満開のはずが葉桜見て帰る 井上登美
この人と見込み添い遂げ共白髪 奥西勇人
永遠に働くそれが人間だ 森本高明
脳以外お見込みどおり元気です 内藤夢彦
結婚の見込み外れた子をはらむ 室田隆司
葬儀社の営業マンに見込まれる 村岡義博
見込み通り振り込みさせた長い舌 長野峰明
一か八か救急車呼べ見込みある 倉田雄登美
途中下車してまで買った壷の価値 山本芳男
生命保険見込み違いの生残り 河合敏夫
恋に生き百一歳を迎えよう 沼尾美智子
給付金見込みまたまたショッピング 安積貴代美
三浪に見込んだ絵馬もしょぼくれる 宮本喜明
卒業の見込みバイトのつけが来る 黒嶋海童
両親を見込んで買ってきた駄犬 田中節子
お人好し見込まれいつも損をする 山本ひさゑ
押しといて見込み違いと手を放す 長野峰明
厚化粧見込違いという鏡 山本芳男
給付金見込んで旅のプラン練る 松下比ろ志
儲け口見込み違いの大火傷 河合敏夫
ありがとう何でも出来そ今日の空 松本光江
昇進の見込みはないが社は辞めぬ 辰巳和子
発毛の見込み養毛剤に聞く 河原野折杭
目を覚ます見込みなくても生かされる 吉安陽子
早とちり見込み違いという憂き目 水田蓉子
余命表先は見込みのたたぬ道 宮本喜明
百歳を生きる見込みの医者通い 河合敏夫
卒業の見込みで内定貰ってる 山田信子
年度末晴れれば橋を渡ります 長川哲夫
見込みない時は静かに風を待つ 菅野泰行
全快の見込みは大と見舞う嘘 村上氷筆
見込みない私は鬼に逢っている 吉川千穂
花便りだんごのアンふやそうか 樋口祐子
ひたむきな瞳に明日を賭けてみる みぎわはな
捕らぬ狸の皮が泣いてる不況風 長野峰明
見込みとは違う子供になってゆく 山本芳男
神さまも見込み違いをなさいます 沼尾美智子
娘の犬に見込まれ私第四位 中井康弘

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兼題  「職」  小山紀乃 選
職辞して季節の色がよく見える 辰巳和子
職決まり桜並木が美しい 山田信子
職持たぬ専業主婦も忙しい 水田蓉子
職員室呼びつけられて深呼吸 佐々木たみ子
街角の職人さんについ見とれ 樋口祐子
ロボットと馬が合わずに辞めた職 河合敏夫
検察のメスが汚職を抉り出す 河原野折杭
はるばると海渡り来る介護職 吉安陽子
ネクタイを締めて職人ぎこちない 辰巳和子
まだ捨てぬ職場復帰をリハビリに 菅野泰行
それぞれの職それぞれの人の群 吉川千穂
無職でも主婦という肩書がある 吉安陽子
職退いて妻のお抱え運転手 内田秀章
ロボットになれば職など探さぬに 中井康弘
住職の朝さわやかに庭を掃く 山田信子
ふた昔前は職場の花でした 黒嶋海童
ガラクタの価値を職人みのがさぬ 山辺和子
英語ペラペラ資格もあって職がない 辰巳和子
イエス・ノーその真ん中で公務員 廣嶋英子
アラフォーがキャリアキャリアと騒がしい 中桐徹
派遣から正規社員へダイビング 井上登美
職を退く今朝の鏡へ凛と立つ 山本芳男
肩書きをハローワークへ捨てに行く 長島敏子
パティシエを目指し少女の泡立器 山辺和子
職退いて右往左往の好奇心 水田蓉子
二度三度どんどん名刺軽くなる 長島敏子
土こねるだけの修行がまだ続く 赤井花城
職人の指は仕事に合ってくる 菅野泰行
野の花になろうと転職の農家 前田久雄
派遣切り職の無い身に花便り 水田蓉子
天職と悟ってからの歩の確か 村上氷筆
木魚叩いて営々と寺を継ぐ 水田象介
天職かと神様に聞く介護の日 長川哲夫
窓際族ひねもす海の夢を見る 井上登美
職責は自覚してると不整脈 濱田英明
自分でも嫌だと思う職の棘 斎藤功
妻子すて職すてさせた女とは 宮本喜明
残業が続いて恋がさめてゆく 山辺和子
弁当持参ハローワークの日が沈む 樋口祐子
職人は鍛え抜かれた結晶だ 松下比ろ志
主婦業は総合職と誇り持つ 佐々木たみ子
職退いてからが妻との一騎打ち 黒嶋海童
真実を問うて互いに職がない 吉川千穂
わたくしを生かす道なら職種など 牧野和子
手に職がある不況でも怖れない 小山紀乃

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兼題  「延期」  廣嶋英子 選
延期にも辛さ嬉しさ裏表 中桐徹
グルメ旅暫し延期の訃の報せ 奥西勇人
賞味期限延ばして残り火を燃やす 内田秀章
五回延期無事に上がったディスカバリー 河合敏夫
迎えにくるなまだまだ浮世未練あり 内藤夢彦
延期してわかったつまらない男 菅野泰行
先読みの選挙ポスター哭いている 長野峰明
山歩き雨には勝てず延期する 森本佳子
駆落ちは雨天順延破れ傘 水田象介
死神に余生の延期たのみたい 中井康弘
コンディション狂わす雨の甲子園 内藤夢彦
雨天順延霧雨甲子園つつむ 青木公輔
日延べには怒りが宙に吹き上がる 斎藤功
不景気に振り回されている延期 山本芳男
手術延期うれし悲しの春の音 樋口祐子
ずるずると延期約束反古になる 小山紀乃
延期した船出の理由は聞かぬ風 山辺和子
雨季乾季恋の告白また延期 長島敏子
この不況婚約指輪色褪せる みぎわはな
地獄からの使者を暫く眠らせる 山本ひさゑ
土砂降りも延期出来ないバスツアー 辰巳和子
延期手形の男泣きする不況風 長野峰明
すがる藁願書に下戸と書いておく 村岡義博
お浄土へ切符の予約延期する 井上登美
侍ジャパンハラキリなんて無期延期 村岡義博
未納金ないが卒業延期され 室田隆司
花の宴済むまで断酒延期する 辰巳和子
延命の是非を問われる車椅子 長川哲夫
延ばせない結婚急かすお腹の子 河原野折杭
古希の恋浄土の予約延期する 井上登美
いつまでも嫁かぬ娘が脛かじる みぎわはな
面接の延期へ覚悟決めている 山本芳男
ゴム伸びて延期と決めたダイエット 濱田英明
若田さんやっと地球を留守にする 佐々木たみ子
フルムーン葬儀の予約延期する 井上登美
字余りは延期のせいよ春嵐 田中節子
柩から鼾もれ葬儀は中止 水田象介
むつかしい話は後だ先ず一献 松下比ろ志
自画像が宙ぶらりんの延期です 宮本喜明
その内に呑みに行こうともう二年 辰巳和子
ややこしい話は後にいちごパフェ 沼尾美智子
仮縫いのままに延期の春の服 吉川千穂
花束を沈めて船出延期する 花田俊枝
幾度も死にそこなってパジャマ買う 長川哲夫
日延べしたインクリボンが切れている 沼尾美智子
女は男になるのを延ばしつづける 廣嶋英子

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兼題  「品」  黒嶋海童 選
休肝日一品増えている夕餉 内田秀章
手品師に夫を消していただいた 水田象介
化粧品買って心に薄化粧 濱田英明
品の無いうちの人だが働き者 菅野泰行
上品な物腰だったのに詐欺師 菅野泰行
野良犬にも品格凛とある尻尾 山本ひさゑ
上役の十八番の手品誉め殺し 奥西勇人
ジェラシーを品よく煮こむ春の鍋 上村さな恵
人間の品格だけは騙されぬ 吉川千穂
自負少し抱いて品格を保つ 牧野和子
食卓に愛も一品春うらら 河端世起子
粗品だけもらえばほかに用はない 室田隆司
品位とは椿一輪活けてあり 廣嶋英子
預かった品生ものと書いてある 豊野光子
乗車中化粧女の品を問う 中井康弘
品評会おれがおれがの鉢ずらり 森本佳子
古びても気品に満ちた祖母の雛 内田秀章
見切り品同士で添うて五十年 河原野折杭
どうしょう時価と書いてるお品書き 斎藤功
旬の男は品薄ですよそら急げ 内藤夢彦
モンゴルとハワイ比べる綱の品 村岡義博
品数の少ない夕げ老ふたり 吉安陽子
五百羅漢どのお顔にも滲む品 長島敏子
母さんの上品ぶって参観日 倉田雄登美
わたくしの品位バサッと枯れてきた 田中節子
ホームレスとなっても覗く品の良さ 村上氷筆
匂い立つ気品育ちの良さが知れ 河原野折杭
品行方正めだたぬ位置で咲いている 山辺和子
そこはかと春の香りのお品書き 沼尾美智子
輸入品食わねば生きていけぬ国 上野五柳
品薄でこんな主人に仕えてた 井上登美
伝来の刀鑑定には出さぬ 赤井花城
品格は他人が着せてくれるもの 中西保子
上品になろうと本屋へ本買いに 廣嶋英子
お品書さすが京都という料理 山辺和子
豹柄へ芦屋ですかと二度三度 中桐徹
品格のルージュ鏡に意見聴く 内藤夢彦
品定め性善説が邪魔をする 宮本喜明
越後屋の言わずと知れた底の品 長野峰明
上品に喋る敬語で舌を噛み 河原野折杭
奥の部屋うちの粗品が寝ています 中桐徹
絶品と言われいかなごまた送る 赤井花城
品格は問うまい母の茄子胡瓜 長川哲夫
ソムリエの絶品ふところが寒い 河合敏夫
品性を問うと寂しい椅子ばかり 沼尾美智子
結納の品々飾る春の部屋 黒嶋海童

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【出席者】 (順不同・敬称略)
濱田 英明 内田 秀章 上村さな恵 豊野 光子 花田 俊枝 中西 保子
倉田雄登美 村上 氷筆 山本 芳男 山田 信子 室田 隆司 廣嶋 英子
中井 康弘 牧野 和子 田中 節子 沼尾美智子 奥西 勇人 佐々木たみ子
上野 五柳 水田 蓉子 村岡 義博 斎藤  功 吉川 千穂 内藤 夢彦
神田 巳珠 河合 敏夫 森本 佳子 山辺 和子 辰巳 和子 長川 哲夫
長島 敏子 黒嶋 海童 小山 紀乃 吉安 陽子 井上 登美 水田 象介
河原野折杭 菅野 泰行 中桐  徹 長野 峰明 松下比ろ志 みぎわはな
青木 公輔 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
宮本 喜明 河端世起子 前田 久雄 山本ひさゑ 森本 高明 松本 光江
安積貴代美

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