平成21年1月18日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「牛」  菅野泰行 選
元旦に生まれた仔牛雌でした 宮本喜明
ミルクたっぷり今日のプランをゴクリ飲む 山辺和子
タイガース牛歩に変えた甲子園 濱田英明
わたくしにとっての丑はあなたです 野澤淑子
のっそりとやっと動いた今朝の夫 水田蓉子
絡むのが好きな牛です夫婦仲 吉川千穂
牛の背に揺られねずみの役終える 長川哲夫
闘牛の恋知りそめて負け戦さ 上村さな恵
ひたすらに牛歩で歩む喜寿の坂 内田秀章
牛歩でも良いから前に進みたい 河合敏夫
ウシ年の絵馬を明るい方へ掛け 河原野折杭
こって牛言われようとも我が道を 池田史子
ウチの牛押して引いても動かない 樋口祐子
初夢は牛の親子と道づれに 花田俊枝
ちぎり絵の牛は虹立つ方を見る 上村さな恵
大きいな牛のオッパイほどあるな 上野五柳
鈍牛も歩けば千里の涯も見る 斎藤功
給付金の牛歩戦術日が暮れる 長野峰明
忍耐を牛に学べと母の言う 牧野和子
乳牛の反芻見てる日向ぼこ 河合敏夫
牛どんの匂い恋しい派遣村 長島敏子
雨に土壁臭う牛糞らしい 水田象介
ゆっくりと歩いて牛は間違わず 山本芳男
貞淑な妻も今ではこって牛 奥西勇人
仔牛の瞳春来る道を尋ねおり 長川哲夫
少しでも進めば牛歩良しとする 中井康弘
ひとり言牛が聞いてる田舎道 吉川千穂
悠久の自然に遊ぶ牛の群れ 室田隆司
懐手牛歩戦術考える 山本芳男
草萌えて牛は生き生き放し飼い 内田秀章
牛の目に嘘はつけない自給率 中桐徹
飛騨牛をとろり初夢目がさめた 長島敏子
橋の上でんと動かぬ老いた牛 神田巳珠
牧童に成れるか牛が待っている 牧野和子
置き物の牛がとある日歩き出す 樋口祐子
いじわるな風が牛歩で攻めてくる 山辺和子
ゆっくりと歩んで牛の策続く 山本芳男
猛牛と言われた父の背も老い 辰巳和子
乳牛の流す涙の裏表 上村さな恵
牛の背に揺られて姉の角隠し 濱田英明
黄昏れて牛の歩幅になってゆく 山辺和子
着実に牛の歩みで夢を追う 辰巳和子
ゆったりと先は急がぬ余命表 みぎわはな
少年の笛草原に牛放つ 中川一
乳牛整列兄は戦に行ったまま 田中節子
確実に前へ牛歩で俺は行く 黒嶋海童
ブランドに成るべく仔牛市を出る 菅野泰行

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兼題  「最初」  中桐徹 選
僕は童貞妻は処女だった初夜 水田象介
最初から知らぬ知らぬで押し通す 菅野泰行
くらくらと山燃えたのも最初です 宮本喜明
旅立ちの順調いまは嘘みたい 小山紀乃
最初からすればよかったまわり道 濱田英明
ご長寿をなどと他人は初めだけ 前田久雄
最初から分かっていたという二人 赤井花城
ネアンデルタール人にそっくりの私 樋口祐子
児の一声家族の絆強く結う 牧野和子
初めてのタバコで目眩校舎裏 水田象介
国訛最初の出合い気を許す 水田蓉子
百八つ煩悩消えず初日の出 奥西勇人
緊張は誰もが同じ始発駅 山本芳男
最初から飲めぬというて虎になり 内藤夢彦
麻生さん最初は見えた星明り 長川哲夫
初恋の開いた夢の花しおり 花田俊枝
最初はグー次に必ず彼はパー 水田象介
最初はグー後はあなたの運次第 沼尾美智子
訪問着姉妹が揃う初芝居 辰巳和子
最初から妻に敷かれて共白髪 内田秀章
初恋の人とは夢でたまに逢う 河原野折杭
模倣から始め師を越え自己を越え 長島敏子
睨み鯛最初に入れる祝箸 神田巳珠
初競りの活気祝儀の高値つけ 内田秀章
最初から覚悟していた嫁姑 山田信子
肝心と最初に妻に躾けられ 斎藤功
初雪へ戸惑ってます戎さん 神田巳珠
躓いた石で初心にまた還る 赤井花城
すんなりと言い出しっ屁に回る鉢 竹の内一人
最初から掛け間違いの貝ボタン 豊野光子
修正ペン一ページ目から顔をだす 沼尾美智子
先手必勝出ばなをくじく口喧嘩 河合敏夫
最初からハテナマークの恋でした 長島敏子
最初から言へば傷つく胸の内 山本芳男
最初で最後一度だけ乗る霊柩車 内田秀章
年頭に妻への愛を先ず誓う 河原野折杭
理屈より情が最初の好き嫌い 斎藤功
最初から変らぬ人で無二の友 牧野和子
最初から話せば傘の無い男 菅野泰行
最初から云えばいいのに水臭い 青木公輔
最初から正論吐いて遠い椅子 上村さな恵
ぎこちない挨拶両家顔合わせ 中村真里子
二人共最初の出会い失恋中 倉田雄登美
最初から許すつもりの半開き 長野峰明
天地人越後の春か初句会 長川哲夫
生き過ぎて初心に帰れ云われても 中桐徹

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兼題  「決める」  水田象介 選
味方だと決めてかかっていた誤算 山本ひさゑ
もう逢わぬ決意揺るがす生き写し 村上氷筆
白黒を決める辺りの氷点下 山本ひさゑ
使い途決めて待ってる給付金 中村真里子
簡単に決めて決まらぬ給付金 濱田英明
決断を硬貨に問うた時もある 赤井花城
右ひだり決定権は妻にある 長島敏子
決めかねた話へ温いお茶が出る 山本芳男
かたえくぼそれで私は決めました 内藤夢彦
決勝点泣いてボールを蹴り返す 長川哲夫
根まわしで順番決まる主役の座 森本佳子
決めてから入社取消す卑怯者 倉田雄登美
ジャンケンで決めた再婚なつかしむ 樋口祐子
あの人と決めているけどまだ迷う 花田俊枝
一発で決めたいけれど併願に 内藤夢彦
じゃじゃ馬が猫を被って決めた彼 奥西勇人
決めるのはアナタ ワタシは傍観者竹の内一人
就職が決まり彼女にプロポーズ 山田信子
どっちかに決めてと迫る美女二人 河原野折杭
お目当ての日のカレンダー赤丸に 青木公輔
婚約し婚前旅行すぐ決める 倉田雄登美
決着はついた丸裸になった 内田秀章
再婚の決め手は年の差と資産 内田秀章
この人と決めた無骨な手が温い 奥西勇人
飼うことに決めるなついて来た小犬 黒嶋海童
御見合で決めたあなたと五十年 豊野光子
肚据えてから丼飯を平らげる 長野峰明
最後に投げる決め球は持っている 赤井花城
ふんぎりがついて別れがやってくる 吉川千穂
大学は自宅通学決めさせる 水田蓉子
気があると決めてかかった赤っ恥 長野峰明
後戻りできぬ覚悟の判を捺す 室田隆司
話し合い縺れ最後は多数決 奥西勇人
決心のついて手鍋を下げて行く 山本ひさゑ
神さまも願いによって額を決め 花田俊枝
決めないと日本丸は沈みそう 沼尾美智子
決断はやはり愛より金でした 内田秀章
ひと目見てこの人ならと決めていた 山田信子
先生の一言運命を決める 赤井花城
一本で決めた涙の金メダル 長野峰明
ごちゃごちゃ云うからミステリーツアーに決める 中桐徹
ぼくの嫁さん母さんが決めました 上野五柳
解決は勝った方から折れている 豊野光子
千体を刻むと決めた鉈仏 中川一
結論は神に任せる寒の水 山口ヨシヱ
即断が乗客の命を救う 水田象介

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兼題  「湯」  長野峰明 選
湯かげんをリモコンまかせ見るドラマ 佐々木たみ子
湯気を立て怒るおやじに窓くもる 中井康弘
宿題の名句うかばずつい長湯 佐々木たみ子
湯屋誘う二つ返事で妻も乗り 中井康弘
妙齢の美女と浸ったでも足湯 奥西勇人
観念がぬるま湯となり世を拗ねる 宮本喜明
煮え湯とは友をばっさり斬りすてる 宮本喜明
湯あがりの妻に見とれたのは昔 河原野折杭
三分粥フーフー命たしかめる 長島敏子
老残の自負をちょっぴり露天風呂 上村さな恵
良い話ポットのお湯も忙しい 黒嶋海童
初釜の華やぎ凛と湯が滾る 辰巳和子
湯の中で煮抜き玉子が産気づき 濱田英明
お湯の中明日のモードに切り変える 佐々木たみ子
風呂の湯に入れない母の背を流す 中本三桂
鳥肌をたてて露天の湯に下りる 室田隆司
よっしゃよっしゃと湯上がりの上機嫌 小山紀乃
湯豆腐の湯気に解けるわだかまり 辰巳和子
湯けむりの中に意中の女が居る 青木公輔
湯の中で年金様に手を合わす 中桐徹
湯に入れて解しています欲の皮 田中節子
旅に出て足湯の湯気の列に座す 黒嶋海童
ポットの湯嫁の心として受ける 山本ひさゑ
適温の風呂へ浮んだ明日の策 山本芳男
安近短足湯で癒やす旅心 室田隆司
一杯のそば湯を所望する杖 樋口祐子
祭壇に冷たかろうと湯を上げる 斎藤功
ほやほやの命しずかに湯につける 山田信子
桜湯のはざま母娘にある話し 山本ひさゑ
混浴とあり猿にとり囲まれる 水田象介
ぬるま湯で育ち辛抱死語となる 中村真里子
湯気の中影絵はきっと母だろう 野澤淑子
旅の湯に恥も誇りも流してる 黒嶋海童
白湯ゴクリ術後の命たしかなり 村上氷筆
おもてなし茶の湯の極意ちりばめる 森本佳子
宿の湯に主婦を忘れた首が浮く 内田秀章
ぬるま湯が初心の決意鈍らせる 河原野折杭
ライバルに腹を晒した露天風呂 河合敏夫
芦かれて妻の湯加減へと戻る 山本ひさゑ
ひと匙の重湯に生の重さなど 山辺和子
足湯して多弁になった膝頭 河合敏夫
手遅れと言えずに妻と美人の湯 内田秀章
幾度の煮え湯くぐって来た絆 池田史子
憂国を竜馬に問うか湯葉豆腐 長川哲夫
かたくなな男は茹でて噛んでみる みぎわはな
五十年を湯呑みが語る共白髪 長野峰明

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兼題  「目処」  中川一 選
目処がつくたびにポキンと折れる芯 濱田英明
もうちょっとちょっとと待たせ目処が立つ 小山紀乃
年金の目処立たぬまま初詣 豊野光子
停戦の目処なく荒れるガザの街 中村真里子
目処立たぬ長生きすると言われても 豊野光子
セールスの目処は孤老の一戸建 みぎわはな
目処つけに一本提げてきた男 長島敏子
還暦にローン完済目処がつく 水田蓉子
桁違いの話しで目処が掴めない 山本ひさゑ
成功の目処は問うまいまずトライ 池田史子
目処がつきフランス行きの旅プラン 山田信子
四年後へ形振り構わない連呼 竹の内一人
定住の目処の立たないカタツムリ 長野峰明
目処ついた話へ理屈攻めて来る 山本芳男
目処が付き昼をはふはふ牡蠣フライ 田中節子
花のいのち伸び老後の目処立たぬ 上野五柳
わたくしを掻き立てる芸目処にする 樋口祐子
追いついて追い越せと言い父の背な 河原野折杭
今年また孫抱く夢の目処立たず 佐々木たみ子
曾孫の結婚までは生きてやる 室田隆司
合格の目処が立ったかよく眠る 黒嶋海童
目処見えぬ介護に軋みだす絆 内田秀章
寿命まで目処がついてる余命表 中本三桂
目処の立つ話し舞いこむ祝い獅子 上村さな恵
天国の目処は心の隅に置き 宮本喜明
目処掴み完成したと自画自讃 山本芳男
二泊三日あたりを目処に旅プラン 長野峰明
全快の目処たたぬまま寒に入る 室田隆司
春風に空翔ぶ夢を視野に入れ 牧野和子
掌の水ぐらいなら目処が立つ 菅野泰行
道一つ目処立って来るこころざし 牧野和子
向う脛本丸へ行く目処がつく 山本ひさゑ
卒業へ単位一つがまだ取れぬ 赤井花城
国境を越えた援助の目処がつく 中本三桂
献体と書いて自分の目処終る 山本芳男
残業の目処つき夜泣き蕎麦を取る 黒嶋海童
標準のサイズが目処のダイエット 内田秀章
ワンランク下げて二浪が託す絵馬 内田秀章
究極の味を自慢の杜氏の目 山口ヨシヱ
ここまでは読むと栞を挟む本 村上氷筆
ひらひらと人目にさらす目論見書 斎藤功
この冬の目処が立たない目出し帽 水田象介
目処たたず故郷の空に辿りつく 山田信子
きょう中に解きたい難度5のパズル 沼尾美智子
まだ目処がつかず弥勒菩薩の指 野澤淑子
夕日観音目処あらず来て旅の果て 中川一

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【出席者】 (順不同・敬称略)
濱田 英明 森本 佳子 牧野 和子 長野 峰明 水田 蓉子 長島 敏子
河合 敏夫 花田 俊枝 内田 秀章 豊野 光子 みぎわはな 神田 巳珠
黒嶋 海童 中井 康弘 河原野折杭 上野 五柳 内藤 夢彦 辰巳 和子
菅野 泰行 山田 信子 山辺 和子 山口ヨシヱ 室田 隆司 長川 哲夫
奥西 勇人 上村さな恵 倉田雄登美 田中 節子 沼尾美智子 吉川 千穂
中桐  徹 宮本 喜明 中川  一 斎藤  功 野澤 淑子 中本 三桂
山本 芳男 水田 象介 佐々木たみ子 青木 公輔 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
山本ひさゑ 竹の内一人 小山 紀乃 前田 久雄 森本 高明 中村真里子
村上 氷筆

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