平成20年3月30日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「菓子」 橋本凉子 選
|
上品な和菓子出されて正座する |
室田隆司 |
|
味よりも彩を目に売る京の菓子 |
長野峰明 |
|
京菓子を紳士ぱくつくお茶の席 |
内田秀章 |
|
さくら餅ピンクの春がそこここに |
山口ヨシヱ |
|
菓子折が目出度い話連れて来る |
黒嶋海童 |
|
茶柱の傍に春めくさくら餅 |
松下比ろ志 |
|
オーブンを買ってしばらく菓子作り |
村上静子 |
|
駄菓子屋のおばちゃん生きていれば百 |
水田象介 |
|
駄菓子屋にたむろしているランドセル |
村上静子 |
|
日々感謝仏にひとつさくら餅 |
山辺和子 |
|
故里の駄菓子は母の思いやり |
前川千津子 |
|
誤解とけポップコーンがはじけだす |
山辺和子 |
|
酒煙草無縁菓子さえあればよい |
青木公輔 |
|
菓子好きの夫婦でいつも仲がよい |
仲田秀子 |
|
ツノ丸くなるまで金平糖舐める |
みぎわはな |
|
菓子折の底に潜んでいた野心 |
辰巳和子 |
|
旅先の菓子真ん中に弾む声 |
長島敏子 |
|
きんつばの四角四面を愛してる |
沼尾美智子 |
|
留学の息子(こ)へふるさとの菓子送る |
仲田秀子 |
|
春の雲が綿菓子なのと児に教え |
みぎわはな |
|
命日に私の好きな菓子供え |
辰巳和子 |
|
お菓子の姫路城舐めて見たいよね |
内藤夢彦 |
|
すねた子よ君にもあるよ茜丸 |
松本光江 |
|
別腹がワクワクと待つ姫路博 |
村上氷筆 |
|
甘党も童心の顔菓子祭 |
倉田雄登美 |
|
留守番の機嫌を直す菓子袋 |
田中節子 |
|
菓子博を横目に仰ぎハイキング |
樋口祐子 |
|
七五三晴着しっかり千歳飴 |
倉田雄登美 |
|
引越して菓子を片手にご挨拶 |
吉川千穂 |
|
ふるさとに駄菓子喜ぶ母がいる |
倉田雄登美 |
|
母は留守ポテトチップス置いてある |
山田信子 |
|
風呂敷に名菓百選包み込み |
樋口祐子 |
|
里帰り先ず懐かしい菓子を買う |
斎藤功 |
|
手作りの草餅提げて母見舞う |
辰巳和子 |
|
菓子あてに湯割り冷酒ドンと来い |
小島知無庵 |
|
春一番笑い転げて菓子袋 |
田中節子 |
|
駄菓子屋もわんぱく坊主も消えて春 |
上村さな恵 |
|
雛あられ一つつまんで母を恋う |
長川哲夫 |
|
リンゴアメ少女の夢は無限大 |
上村さな恵 |
|
母さんのよもぎ団子や春うらら |
山口ヨシヱ |
|
たんと菓子食べろと流行らない歯医者 |
内田秀章 |
佳 |
ご馳走は砂のお菓子の春休み |
長川哲夫 |
佳 |
さくら餅遠き想い出艶褪せず |
みぎわはな |
佳 |
湯気の香に豚饅と知る土産 |
黒嶋海童 |
佳 |
定年後妻もくれない義理のチョコ |
内田秀章 |
佳 |
京土産結局八ツ橋にきめる |
村上静子 |
人 |
おまけが欲しくて買っていたグリコ |
水田象介 |
地 |
白あん粒あん半分こして春うらら |
沼尾美智子 |
天 |
ミヨちゃんと甘い想い出ラムネ菓子 |
水田象介 |
軸 |
桜餅供えて朝の経を読む |
橋本凉子 |
兼題 「様々」 山口ヨシヱ選
|
様々にポーズをとって試着室 |
倉田雄登美 |
|
様々な思いで女雛流す |
上野五柳 |
|
様々な神が休めと言うてはる |
神田巳珠 |
|
様々な角度で子供見つめてる |
山田信子 |
|
団塊にも様々な感懐がある |
上原翔 |
|
様々のレシピに迷うフライパン |
山辺和子 |
|
語らいのさまざまありて花の墓地 |
室田隆司 |
|
男にも様々にある泣きどころ |
山本ひさゑ |
|
様々な生き方母のお針箱 |
山田信子 |
|
天満宮合格祈願恋祈願 |
みぎわはな |
|
あれこれとプランばかりで旅立てぬ |
赤井花城 |
|
人それぞれ軌道を描き暮らす日々 |
上野五柳 |
|
並べ変えても万札になる訳がない |
長野峰明 |
|
母のこと語り出しては止まらない |
田中節子 |
|
さまざまな思い私がぬけられぬ |
吉川千穂 |
|
生き死にのさまざま妻が病む四月 |
花田俊枝 |
|
様々な花を咲かせて母達者 |
辰巳和子 |
|
どの道を行っても苦労ついてくる |
小山紀乃 |
|
退職の僕の労苦へ何も無し |
前川千津子 |
|
雲は天才百態演じ飽きさせぬ |
長野峰明 |
|
様々な出会い見ている花時計 |
内田秀章 |
|
様々な言葉で人の輪が切れる |
山本芳男 |
|
人は人さくらに零す独り言 |
長島敏子 |
|
様々な意見を聞いて尚迷う |
辰巳和子 |
|
源平へ思いさまざま瀬戸の海 |
村岡義博 |
|
百態の酔客乗せて終電車 |
村上氷筆 |
|
戦争に震災も遭い生きて候 |
前川千津子 |
|
様々な理由をつけて借りに来る |
黒嶋海童 |
|
衣装部屋今夜は誰に化けようか |
室田隆司 |
|
様々なかたちで終の道を掃く |
山本芳男 |
|
様々な人生を聞くクラス会 |
村上静子 |
|
雑踏の人間模様見てひとり |
長島敏子 |
|
様々な顔見せ生きて来た命 |
辰巳和子 |
|
遠足の園児のはしゃぎ見て飽かず |
みぎわはな |
|
様々の食材の裏目を凝らす |
倉田雄登美 |
|
人様々夢掴む人捨てる人 |
黒嶋海童 |
|
頂に登りどの道降りようか |
長川哲夫 |
佳 |
八起きめも様々に吹く風の中 |
宮本喜明 |
佳 |
右顧左眄空気なかなか掴めない |
みぎわはな |
佳 |
母の背にいろんな過去が見え隠れ |
松本光江 |
佳 |
晩年という様々なツケが来る |
赤井花城 |
佳 |
様々の苦労を棚へ上げて生き |
前川千津子 |
人 |
さまざまに生きて自分史編んでゆく |
牧野和子 |
地 |
様々な意見を溶かす絵の具皿 |
山本芳男 |
天 |
様々な別れ桟橋軋んでる |
黒嶋海童 |
軸 |
風の辻花の香に酔いみぎひだり |
山口ヨシヱ |
兼題 「窮屈」 上原翔 選
|
こころ根のせせこましさよ空仰ぐ |
小山紀乃 |
|
姑の目に家中をチェックされ |
小島知無庵 |
|
痛い足を靴に合わそう赤い靴 |
花田俊枝 |
|
散らかしてますがと二畳へ通される |
青木公輔 |
|
お位牌が団地サイズに押し込まれ |
中村真里子 |
|
春風が吹いて自由に飛び立った |
牧野和子 |
|
税納め気ままに吸えぬ愛煙家 |
内田秀章 |
|
窮屈は似合わぬ春の靴の音 |
牧野和子 |
|
程のよい窮屈でした四畳半 |
上野五柳 |
|
生きるとは窮屈なものそれも味 |
斎藤功 |
|
入らない腰のホックを付け直す |
沼尾美智子 |
|
外反母趾もう履けませんハイヒール |
辰巳和子 |
|
煮え切らぬ無欲な男の窮屈さ |
前田久雄 |
|
バンドの孔に叱言食ってるビール腹 |
長野峰明 |
|
窮屈な椅子で我慢の虎ファン |
長川哲夫 |
|
窮屈に母が守って来た家風 |
山本ひさゑ |
|
偏差値の鋳型に失せてゆく個性 |
内田秀章 |
|
伸びのびと青空仰ぐ土筆坊 |
神田巳珠 |
|
万札ではち切れそうな春財布 |
内田秀章 |
|
門限をきっちり守る青りんご |
山田信子 |
|
毎日が少し窮屈同居の灯 |
仲田秀子 |
|
羽交じめママの谷間が息苦しい |
みぎわはな |
|
すし詰めの車内目の位置手の置場 |
長島敏子 |
|
マスコミのカメラが隙をついてくる |
山辺和子 |
|
エンデバーの窮屈に堪え大仕事 |
長野峰明 |
|
窮屈な人が欠席とは淋し |
前川千津子 |
|
窮屈なこと窮屈なこと妻と居る |
樋口祐子 |
|
六十を過ぎると夫いりません |
水田象介 |
|
見栄張って少し細目のスラックス |
黒嶋海童 |
|
窮屈は百も承知でした同居 |
橋本凉子 |
|
着ぶくれを冬のラッシュに詰めこまれ |
黒嶋海童 |
|
Eカップ胸のボタンが弾けそう |
長島敏子 |
|
制服の父窮屈そうな背中です |
内藤夢彦 |
|
婿殿に義父母同居は気が重い |
黒嶋海童 |
|
せまいとは云えぬゆずってくれた席 |
宮本喜明 |
|
窮屈で一日終る足の裏 |
前田久雄 |
|
帰宅して先ずコルセットはずしてる |
村上静子 |
佳 |
ここの席空いているよと鬼上司 |
斎藤功 |
佳 |
生真面目が売りで話が噛み合わぬ |
室田隆司 |
佳 |
ときめいて袖すり合った満員車 |
長川哲夫 |
佳 |
食べた気がしない姑とのランチ |
辰巳和子 |
佳 |
春うらら妻と一緒のバスツアー |
水田象介 |
人 |
養子とは窮屈楽珍五分と五分 |
松下比ろ志 |
地 |
ワンサイズ小さいけれど好きな靴 |
小山紀乃 |
天 |
兎小屋なりの幸せ桜鯛 |
神田巳珠 |
軸 |
団欒に肩身の狭い川柳子 |
上原翔 |
兼題 「愉快」 仲田秀子 選
|
亡母許す愉快に笑う七回忌 |
宮本喜明 |
|
ストレスを愉快な仲間消してくれ |
村上静子 |
|
ハッピーなホームドラマを見て眠る |
長島敏子 |
|
新学期愉快な友を連れてくる |
山田信子 |
|
アバウトに過して日々は愉快です |
内藤夢彦 |
|
虎刈りを注文床屋喜んで |
小島知無庵 |
|
一人でも愉快に生きて桜咲く |
前川千津子 |
|
ほんとうは辛い愉快な話する |
山田信子 |
|
レパートリーふやす男のクッキング |
山口ヨシヱ |
|
大笑いついでにメタボやっつける |
中村真里子 |
|
雲のある地球愉快と観てる月 |
斎藤功 |
|
一日が軽いあなたの傍にいて |
長島敏子 |
|
ご先祖も愉快な法事顔を出し |
倉田雄登美 |
|
愉快げに死に損なった傷を見せ |
黒嶋海童 |
|
海原を愉快に滑る若かった |
山本芳男 |
|
笑い皺愉快な話溜めている |
黒嶋海童 |
|
愉快なことは社会の窓に反射する |
松下比ろ志 |
|
よく食べて笑って老母の誕生日 |
山辺和子 |
|
やさしさも料理も兄に負けており |
田中節子 |
|
愉快な恋を笑う泪が少し出た |
花田俊枝 |
|
歌わされオンチ愉快な花見酒 |
倉田雄登美 |
|
旅路の果て愉快な所あるのかな |
内藤夢彦 |
|
同窓会笑い袋を提げて行く |
山本芳男 |
|
カラオケの一人ぐらいは下手でいい |
松本光江 |
|
春風が吹いて愉快になる山河 |
牧野和子 |
|
糸切って愉快な旅の夫婦凧 |
内田秀章 |
|
ありがとう愉快に老後生きてます |
内田秀章 |
|
歌声が弾み青空へ登る |
牧野和子 |
|
歳なんか忘れて若い娘と踊る |
内田秀章 |
|
ジャンケンなど子供に還る春の旅 |
みぎわはな |
|
五年後も再発なしで乾すビール |
村上氷筆 |
|
花鳥風月と愉快に過ごす日々 |
赤井花城 |
|
ひょうきんの愉快な父に子ら和む |
倉田雄登美 |
|
ひとときを笑う落語の風の中 |
山辺和子 |
|
猫の寝言につきあっている愉快な夜 |
橋本凉子 |
|
定年後愉快愉快とメールする |
森本高明 |
|
笑い袋提げて友達きてくれる |
みぎわはな |
佳 |
男と女いるから地球愉快です |
花田俊枝 |
佳 |
きれいかわいい語りかけても固い薔薇 |
田中節子 |
佳 |
老いという初体験も愉快かな |
荒垣秋野 |
佳 |
他人の恋盗めばきっと愉快だろう |
上野五柳 |
佳 |
鯉のぼり愉快にはしゃぎ空を呑む |
橋本凉子 |
人 |
逆立ちで覗く世間は愉快かも |
前田久雄 |
地 |
一生を愉快だったと終わりたし |
赤井花城 |
天 |
昨日からトントン拍子何もかも |
小山紀乃 |
軸 |
娘の結婚父は愉快に酔うたふり |
仲田秀子 |
兼題 「目玉」 黒嶋海童 選
|
目玉焼ぐらいは出来て下宿する |
前川千津子 |
|
目玉商品今日は玉子でよく売れる |
村上静子 |
|
目玉焼き得意女にほめられる |
山本ひさゑ |
|
大目玉もなつかし父の墓参り |
仲田秀子 |
|
目玉焼朝の会話が弾んでる |
山田信子 |
|
ドングリ目に睨まれてから胃が痛む |
樋口祐子 |
|
魚の目涙浮かべているような |
村上静子 |
|
仁王さんの目に負けくぐる寺の門 |
上村さな恵 |
|
にらみ鯛真ん中にいて指図する |
山口ヨシヱ |
|
剥製の鳥の目玉はかわいそう |
内藤夢彦 |
|
役所には雷落とす目玉居ず |
みぎわはな |
|
東大合格マグロの目玉たんと食べ |
みぎわはな |
|
不言実行大きな目玉から光る |
内田秀章 |
|
決を採る目玉ギョロリと票を読む |
長島敏子 |
|
広目天目玉のきらり厨子のなか |
神田巳珠 |
|
俺の目の黒いうちはという凄み |
村上氷筆 |
|
くるくると目玉互いの腹探る |
村上氷筆 |
|
一言の正論ぎろりと目が刺さる |
宮本喜明 |
|
下積みの蛸の目玉が今燃える |
樋口祐子 |
|
ライトアップ眠気こらえる仁王の目 |
橋本凉子 |
|
大目玉食ってようやく非を悟る |
小山紀乃 |
|
合格の瞳はみんなダイヤです |
内藤夢彦 |
|
好物の鯛の目玉をさらわれる |
赤井花城 |
|
目玉焼きやさしく朝を送り出す |
内田秀章 |
|
目玉のぞいて愛の深さを読んでいる |
長野峰明 |
|
イージスの目玉に見えぬ漁船の灯 |
中村真里子 |
|
もういいかい指の間にある目玉 |
橋本凉子 |
|
朝一番チラシの目玉チェックする |
倉田雄登美 |
|
目の玉が飛び出る美女にまだ逢えぬ |
内田秀章 |
|
日替りの目玉ではやる角の店 |
赤井花城 |
|
人間の深いところにある目玉 |
吉川千穂 |
|
いまかいまかと球春を待つダルマの目 |
長川哲夫 |
|
別室に目玉を置いて眠ります |
水田象介 |
|
新婚の朝にはじまる目玉焼き |
仲田秀子 |
|
おなじみの写楽の目玉父思う |
花田俊枝 |
|
目玉焼しか出来ぬ娘が嫁に行く |
辰巳和子 |
|
目の玉をずらすと世間よく見える |
上村さな恵 |
佳 |
父の背に目玉が付いているらしい |
山本芳男 |
佳 |
出目金は目玉に値段ついている |
松下比ろ志 |
佳 |
お目玉を柳に風と聞くメタボ |
上原翔 |
佳 |
背に目玉つけてホームに待つ電車 |
長野峰明 |
佳 |
この店の目玉を妻は知っている |
山本芳男 |
人 |
ダルマの目もう片方を待っている |
村上静子 |
地 |
大目玉の父の温みを忘れない |
仲田秀子 |
天 |
目玉焼き男に何をねだろうか |
長島敏子 |
軸 |
腹の底射貫かれそうな仁王の目 |
黒嶋海童 |
|
余所者が棲み分けているテリートリー |
竹の内一人 |
|
こっそりとばらすサクセスストーリー |
竹の内一人 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
長野 峰明 |
倉田雄登美 |
松本 光江 |
牧野 和子 |
山田 信子 |
山口ヨシヱ |
黒嶋 海童 |
村上 氷筆 |
青木 公輔 |
【投 句】 |
荒垣 秋野 |
前田 久雄 |
小山 紀乃 |
花田 俊枝 |
小島知無庵 |
神田 巳珠 |
上原 翔 |
田中 節子 |
松下比ろ志 |
吉川 千穂 |
水田 象介 |
樋口 祐子 |
※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。