平成20年1月27日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「旗」  吉川千穂 選
お子様ランチの旗を集める趣味がある 青木公輔
先頭の旗を信じたのが誤算 辰巳和子
島の風旗もやさしい土産店 長川哲夫
ポケットに白旗を持ち逢っている 樋口祐子
日の丸を描いてあげよう再生紙 沼尾美智子
白旗を立てて新しい教室 沼尾美智子
はったりの旗なびかせているわたし 田中節子
むかし昔千切れる様に振った旗 流郷貞子
へんぽんとあがる国旗は誇りみせ 倉田雄登美
旗色の悪さをカバーする多弁 小山紀乃
勝つことを信じ手旗のその昔 山本芳男
何色の旗ならお気に召しますか 長島敏子
表彰台に日の丸あがり胸つまる 村上静子
七彩の旗七人の恋もよう 青木公輔
旗振りにゾロゾロ従いて戦場へ みぎわはな
人間なら判る旗あり赤十字 尾畑晴代
爽やかな日の丸ホッとする帰国 橋本凉子
反論の旗を小さく振っている 山本芳男
日の丸がはためいているもう朝だ 室田隆司
似て非なる旗の色あり人の数 村岡義博
寄せ書きの涙を誘う日章旗 前川千津子
我が家の先祖旗本ですとホームレス 神田巳珠
無人島にピンクの旗が立っている 水田象介
この指とまれ旗印は鮮明 樋口祐子
白旗を畳む小さい自負ひとつ 小山紀乃
日の丸の赤を滲ませてはならぬ みぎわはな
やましさのない日の丸に憧れる 長川哲夫
励ましてくれる七色の小旗 小山紀乃
さみしくてキョロキョロ旗を振ってみる 山口ヨシエ
日の丸を揚げてるポチの誕生日 杉山ひさゆき
私にはとっても大事な旗じるし 山口ヨシエ
祝日の旗も見られず寒い国 椙元世津
どう見ても勝てぬあなたに旗を振る 辰巳和子
国旗掲揚海往かばが聞こえ来る 室田隆司
満月やうさぎでなくて旗が立ち 花田俊枝
日の丸が見えて安堵の引揚者 仲田秀子
旗振りになびかぬ私臍曲がり 池田史子
人生を美しく振る春の旗 花田俊枝
アフガンの旗を知らないインド洋 水田象介
旗は何色眼鏡の奥の目が光る 長島敏子
元旦の町内に旗見当らず 水田象介
白旗を揚げることには拘らず みぎわはな
黒旗を潰し頂上めざす亀 池田史子
白旗を振って平和を祈る母 花田俊枝
旗色が読めずに躊躇する尻尾 内田秀章
旗色が悪いあやまるのが先だ 吉川千穂

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兼題  「言葉」  神田巳珠 選
花言葉信じて貴方待ってます 河端世起子
ネコ語言うその時妻も猫である 村上氷筆
苦労したお方か温い言い回し 森山勝彦
芥川賞大阪弁も全国区 中村真里子
若者の街の言葉に蹴躓く 山本ひさゑ
赤ちゃんの言葉はママにだけ通じ 内田秀章
新しい言葉みつけた風の街 吉川千穂
甘い言葉もらって一生棒にふる 花田俊枝
「ありがとう」別れにしたくない言葉 牧野和子
美しい言葉の紅はうすく塗る 樋口祐子
会釈だけ言葉交わさぬ両隣 室田隆司
忠告の苦さに砂糖菓子こわれ みぎわはな
大橋で京のことばに騙される 水田象介
ほめ言葉もう聞き飽きた寒牡丹 上野五柳
やさしい言葉みんな飢えてるすぐ切れる 流郷貞子
電話とる言葉ひとつの落とし穴 吉川千穂
ありがとういいえとどこまでも謙虚 椙元世津
湯豆腐の雰囲気あふるる京言葉 山田信子
迫まる危機男言葉で奮い起つ 野澤淑子
万感の思いこもったありがとう 山田信子
言葉尻掴まれぬよう濁しとく 上野五柳
土壇場のことば本音がもろに出る 小山紀乃
再会を信じさよなら口にせず 小山紀乃
気になる言葉満載平成の世の流れ 青木公輔
心ビンビン言葉は要らぬ握りあう 池田史子
嘘でもいい優しい言葉母は待つ 長川哲夫
この国の言葉も人もみな乱れ 流郷貞子
言葉より私の時間差し上げる 村岡義博
言葉とは人怒らせて笑わせて 前川千津子
ひと筋の涙言葉は胸に秘め 前川千津子
おいしいねねぎらう言葉食はずむ 倉田雄登美
相づちをほどよくうって聞き上手 倉田雄登美
美しい別れの言葉探す旅 仲田秀子
老人は置き去り略語カタカナ語 室田隆司
お言葉に甘えましてと礼を云い 椙元世津
正さねば言葉が乱れ世が乱れ 池田史子
雪しんしん言葉足りない人といる 内田秀章
すんませんおおきに言えぬ人が増え 杉山ひさゆき
甘い言葉にレモンをきゅっと振りかける 田中節子
はげましの言葉で送る手術室 尾畑晴代
お決まりのせりふ謝罪の軽いこと 室田隆司
胸底にたったつ一つの言葉抱き みぎわはな
有難う素晴らしいかな日本語 前川千津子
言わぬのもいい足りぬのも愛さびし みぎわはな
阿吽の夫婦のなかの装飾語 山本芳男
落ち込んだ時おもい出す師の言葉 村上静子
背後から言葉を提げて福の神 神田巳珠

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兼題  「宴」  内藤夢彦 選
イケメンと美女を外してしけた宴 室田隆司
淋しい宴だお目当ての人遂に来ず 青木公輔
花嫁の席は私であったはず 村上氷筆
腹の児と済まして座る披露宴 内田秀章
花嫁のお腹が目立つ披露宴 村上氷筆
ごく内輪だけの再婚披露宴 上野五柳
立食の苦手な腰になりました 沼尾美智子
車ですバッチ付けられ隅に居る 杉山ひさゆき
美辞麗句うたげの中を行き来する 上村さな恵
徳利がお世辞振りまく大広間 浜田英明
ストレスをため宴から帰る月 田中節子
先ず一献義理の宴の苦い酒 尾畑晴代
宴会は嫌だと拗ねる鯛ハマチ 浜田英明
遺伝子が宴会好きな子に育て 山本芳男
座る位置まず宴席で考える 椙元世津
一張羅の着物汚してきた宴 田中節子
泥で汚れた足袋を脱がせた春うたげ 花田俊枝
宴の半ばで静かに消えていたふたり 青木公輔
淋しさをさとられまいとする宴 尾畑晴代
下戸同士しっかり食べて先に去に 村上静子
初孫の吉報ひとり盃捧げ 宮本喜明
ワイングラスひとりの宴外は雪 尾畑晴代
宴終えてやっと味しむ幹事役 池田史子
収支とんとん幹事はひとり飲み直し 村上静子
心とこころ通じるひとと囲む宴 上村さな恵
母米寿宴に添える梅一枝 辰巳和子
再会の宴恩師の瞳がうるむ 長島敏子
赤提灯二杯目からが盛り上がる 水田象介
ふる里の風を纏っている宴 牧野和子
酔って候お国訛も出る宴 牧野和子
二次会にぼくの本音はとっておく 室田隆司
紅梅の一りん待っていた宴 山本ひさゑ
いろいろな想いを胸に春の宴 河端世起子
冬花火終えて宴の凍てる月 宮本喜明
宴終わり自分に戻る寒い街 山本芳男
ふたりきりの宴五色の羽広げ 野澤淑子
ふりむけば宴のあとの悔い一つ 長川哲夫
宴果ててひとりの女にまた戻る 花田俊枝
行軍の果ての宴や象泳ぐ 野澤淑子
そよ風に余韻を溶かす宴のあと 池田史子
退職者ほったらかしの送別会 杉山ひさゆき
花の宴深い孤独が吹き溜まる 辰巳和子
喪の扇あけてわたしも新春の宴 仲田秀子
これも宴二人しずかなティータイム 森山勝彦
披露宴亡夫の分も盃を受け 長川哲夫
一日だけ会社背負った披露宴 村岡義博
宴会の酒が覗いたお人柄 前田久雄
一生の宴を抱いて眠る墓 長川哲夫
湯の宿に二人の宴喜寿祝う 内藤夢彦

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兼題  「出会う」  沼尾美智子 選
もういくつ寝ると閻魔にお目通り 竹内一人
文字通り一期一会の旅の人 村上氷筆
声かけず恩師は孫の車椅子 宮本喜明
字余りな出会いカツトがまだ出来ぬ 宮本ひさゑ
予感した出会いは嵐吹く前夜 水上たお子
一冊の本でうつから立ち直る 中村真里子
ライバルにメラメラとなる投句欄 中村真里子
出会いたい人にはなかなか会えなくて 吉川千穂
冬銀河憂うことなく出会う君 橋本凉子
人みなにある運命という出会い 赤井花城
寒椿一会の温さ胸に置く 山口ヨシヱ
もう一度会えば必ず口説かれる 水田象介
人生を変えた一度の出会いから 牧野和子
きっと今朝彼に会えそう三両目 長川哲夫
水菜には矢張りであう鯨肉 神田巳珠
幸せにしますと娘さらう風 山辺和子
半世紀ぶりに出会った人も老い 椙元世津
出会から夢が膨らみだす時間 山本芳男
温暖化雪に出会ってまず安心 尾畑晴代
三度目の出会いで妻と決めたけど 長島敏子
噂とは違うやさしい瞳に出会う 山田信子
神に会い仏に出会いサヨウナラ 水田象介
秋だった軽い出会いの無人駅 花田俊枝
三っ目の角で出会った風の音 樋口祐子
六十七才はじめて出会う人の影 長川哲夫
君と僕磁石のようにあの店に 内藤夢彦
わたしらの出会い会社の食堂や 上野五柳
古書店の棚で出会った詩人の目 小山紀乃
止まり木で隣り合わせた雨の宵 長島敏子
ウイルスが出るぞと道草いましめる 室田隆司
珍しいきのこに出会う森の中 山田信子
落ち合ってから行く先を決める仲 椙元世津
風の街出会ってからの淡い恋 吉川千穂
ケータイがぴぴぴ出会を確かめる 山本芳男
やがて吹く春を包んでいる芽鱗 村岡義博
心臓が爆ぜる出会いもあった過去 浜田英明
清々し出会いの一語朝を掃く 橋本凉子
出会いと別れが静かに眠っているポスト 青木公輔
何はさておき六版の広辞苑 村岡義博
素晴らしい出会いあるよにスクワット 池田史子
女子の本懐腹突き出して三人目 村岡義博
美しい出会いと思う完全数 野澤淑子
川渡りきったらきっとまた逢える みぎわはな
迷いつつ欣求浄土の旅つづく 赤井花城
出会って別れて音まみれのページ 田中節子
出会いから半世紀経てまだ未完 沼尾美智子

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兼題  「新しい」  前川千津子 選
新しい僕が始まる除夜の鐘 浜田英明
新年だよ母の自転車ころぶなよ 花田俊枝
新年早々滑って転んでいやな事 青木公輔
新しい下着に替えて三宮 水田象介
昨日の新聞からニュースを探す 水田象介
名も知らぬ新しい芽と出会う庭 仲田秀子
新しい靴吉報待っている 山田信子
新しいこよみきやびんへ丸入れる 山田信子
新機種が出ると買う気をそそられる 椙元世津
封を切るコーヒー至福のときである 中村真里子
帰国子女紹介をする新学期 村上静子
新しい医学うれしく恐ろしい 尾畑晴代
新しい気持ちで買った日記帳 流郷貞子
ニュータウン祭り囃子が消えていく 野澤淑子
そろばんを新しく買い脳磨く 樋口祐子
新しいタクトが指に馴染まない 長島敏子
新しい年の決意を書く日記 仲田秀子
新しい夢の一つに月旅行 水上たお子
アドレスに一人加えるいい出会い 村岡義博
お下がりでない服を着た日の記憶 村上氷筆
炊きたての新米思わず手を合わせ 椙元世津
新しい命草木も蟻ん子も 橋本凉子
新しいセンスを貰う福袋 沼尾美智子
新しい朝だ毎日そう思う 杉山ひさゆき
新しい高速ふるさと近くなる 山田信子
自転車も買いたての頃よくみがき 村上静子
社名変更老に馴染まぬカタカナ語 尾畑晴代
育つため刈り込む鋏冬薔薇 橋本凉子
旅はまだ入口あたらしい自分 小山紀乃
忘れ得ぬ日々新たなり川柳祭 長川哲夫
新しい風が幸せ載せて来る 牧野和子
恋なのか今新たなる街灯かり 宮本喜明
新しい筆に馴染まぬ絵の具皿 山本芳男
バレンタイン新しき恋待ってます 内藤夢彦
パリパリのスーツ五時から知らん顔 杉山ひさゆき
新調の服いそいそと年初め 椙元世津
新しい言葉の渦に抜き手きり 池田史子
新しさ求め男の背が昏れる 山本ひさゑ
新しい手帳は夢で膨らます 牧野和子
偽りの鮮度を食べていた不覚 赤井花城
新しい化石発見丹波発 水田象介
ブナの樹の命の水の新しく 長川哲夫
一月のカレンダー夢ほのぼのと 樋口祐子
日付書き替えると僕も新になる 赤井花城
新年は紙の雛さえ笑み返す 長川哲夫
新刊を買い珈琲を飲む曇り空 前川千津子

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【出席者】 (順不同・敬称略)
吉川 千穂 花田 俊枝 内田 秀章 長島 敏子 神田 巳珠 山本 芳男
上野 五柳 前川千津子 田中 節子 山口ヨシヱ 村上 静子 沼尾美智子
水田 象介 牧野 和子 尾畑 晴代 橋本 凉子 濱田 英明 野澤 淑子
長川 哲夫 流郷 貞子 仲田 秀子 山辺 和子 椙元 世津 倉田雄登美
室田 隆司 池田 史子 内藤 夢彦 青木 公輔 上村さな恵 村上 氷筆
山田 信子 辰巳 和子 みぎわはな 小山 紀乃 村岡 義博 杉山ひさゆき
村上 氷筆 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
宮本 喜明 竹の内一人 豊野 光子 前田 久雄 水上たお子 河端世起子
中村真里子 山本ひさゑ 森山 勝彦

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