平成19年9月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「点」  山辺和子 選
接点があって話がよくはずむ 萩原皐月
コンマ以下でいつも気楽に暮らしてる 松下比ろ志
点線を一本入れてもう他人 長島敏子
落第点を承知で本音書いてみる 青木公輔
追伸も点点点で終わってる 樋口祐子
網目からちょぼちょぼ落ちる夏の汚点 田中節子
満点パパ今日も元気に運転手 樋口祐子
秋晴や一点くもりなきこころ 上野五柳
満足がゆくまで点を打ち直す 山本芳男
脳細胞が錆びたらしい赤の点滅 佐藤純一
接点に時どき甘い油さす 萩原皐月
点・・メールはそれでよく解り 椙元世津
ジェラシーの炎沸点通過中 長島敏子
焦点絞り心の襞を映し出す 松下比ろ志
焦る日の点がわたしに問いかける 山本芳男
点々と涙の跡もある青春 松下比ろ志
プライドの真ん中にある引火点 沼尾美智子
返り点これから恋をするつもり 豊野光子
点睛を入れると化石動き出し 水田象介
何を争っているのか点取虫ふたり 青木公輔
昭和史の汚点を消せぬ父の書架 佐藤純一
点点点どれが逃げ道かと迷う 花田俊枝
点線をたどって行けばやさし彼 吉川千穂
注射針いま痛点を通過中 沼尾美智子
視点変えじっくり見ると美人です 内藤夢彦
欠点は整いすぎた顔にあり 水田象介
満点を付けたい母はもういない 豊野光子
駅までの君と接点もつ歩幅 吉川千穂
満点の妻よ長生きして欲しい 内田秀章
0点の僕のおかげで目立つ妻 水田象介
点点と空家がふえて故里さびれ 尾畑晴代
へそくりをこっそり点検する深夜 内田秀章
点景に母曼珠沙華の合唱 牧野和子
点々と漁り火秋の気配する 前川千津子
点と線つないで解いて旅つづく 上村さな恵
点景のわたし気付いてくれた人 小山紀乃
一点を見つめて秋の思惟ひとつ 山口ヨシヱ
点線を引かれ自然にお仲間に 沼尾美智子
追伸へ傍点つけている未練 長野峰明
頂点に立てば見えなくなる歪み 山口ヨシヱ
ピリオドを打つ恋秋はもうそこに 小山紀乃
走り去る君の尾灯が点となる 仲田秀子
まん中に命をすえてみる視点 吉川千穂
明の明星確かめて出るスニーカー 室田隆司
濁点はつけぬどの子も二重丸 豊野光子
点打って少し昼寝のボールペン 山辺和子

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兼題  「意外」  内田秀章 選
意外な選者に抜いてもらった意外な句 青木公輔
あの人に女装の趣味があったとは 村上氷筆
町外れ意外な店に美人ママ 内藤夢彦
サングラス取るとたれ目のやさ男 小山紀乃
意外です隣の棟に元カレが 内藤夢彦
探し物きのう探したとこにあり 長川哲夫
飛び切りの美女がゴキブリ手で掴む 辰巳和子
鬼瓦美女にもてると知らなんだ 上野五柳
駄目元の求愛でした今は妻 長野峰明
意外にも性根の深い北の核 長野峰明
先生がストーカーだったとは意外 松下比ろ志
通夜の席意外な人に会釈され 長川哲夫
正論を意外な人が突きつける 山口ヨシヱ
下戸だとは鼻の頭が赤いのに 水田象介
手こずった生徒に意外性があり 村上静子
コスモスの打たれ強さを風に知る 山辺和子
チャンスなのにあなた意外にいくじなし 森山勝彦
こぼれ種意外なつぼみふくらます 仲田秀子
米寿喜寿恋仲になる余命表 小島知無庵
達観の先は意外と味がない 宮本喜明
突然の辞任意外な展開に 萩原皐月
全没になった私の自信作 濱田英明
子や孫に殺されるとは嗚呼意外 尾畑晴代
良心の呵責意外と胃に溜まる 山本芳男
酒少し入ると無口よく喋る 辰巳和子
下馬評を一夜で変えた裏の顔 室田隆司
七人の敵に竹馬の友も居た 赤井花城
まわれ右出口意外な方が開き 椙元世津
無口な男によくしゃべる奥さん 樋口祐子
この草に名があるなんて知らなんだ 水田象介
美しい皿に意外な毒がある 山本ひさゑ
歴史好き父の名付けた私の名 吉川千穂
謎を解く意外な鍵のサスペンス 長野峰明
角を曲がるとのどかな風の道だった 萩原皐月
ライバルが私の夢に拍手する 樋口祐子
逆光に炙り出されている意外 山本芳男
百歳でパソコンも好き恋も好き 村上氷筆
初恋が意外に永く胸に棲む 沼尾美智子
言う人が言えば意外にみな素直 椙元世津
いじめから解き放されて知る孤独 竹の内一人
ミミズクが意外な噂する夜更け 濱田英明
意外にも痩せてる人がよく食べる 山口ヨシヱ
見かけより意外にうまい夫の味 上村さな恵
人生に意外と思う花が咲く 山本芳男
美しい国は意外に脆かった 沼尾美智子
意外性期待して待つ拉致家族 内田秀章

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兼題  「乗る」  長川哲夫 選
秋風に乗って自分へプレゼント 田中節子
新涼の誘いに乗ってきのこ飯 沼尾美智子
SLに乗って日本の里の秋 橋本凉子
まんまるい球に乗せられ生きている 樋口祐子
おもしろい噂に乗って百叩き 山本ひさゑ
逢えるかな淡い期待に乗る電車 河端世起子
ふわふわと雲にのってる古希の恋 宮本喜明
いち日を優待券のバス紀行 萩原皐月
乗りついでふるさとの駅母が待つ 豊野光子
乗り遅れまいと見切発車の戸を叩く 青木公輔
風が呼ぶ風の言葉を聴きたくて 牧野和子
自分史の余白で駱駝の背を跨ぐ 佐藤純一
方舟に怖あい席が空いてます 萩原皐月
一輪車昨日より今日進んでる 前川千津子
波瀾万丈納得づくで乗った船 上村さな恵
助手席に乗れば右足軋みだす 濱田英明
ポックリ寺へ乗り継いで行く無料パス 内田秀章
物好きも断る霊柩車の試乗 内田秀章
シーソーに乗ってる影がよく喋る 山口ヨシヱ
ほえ駕籠へ乗る場所違え泣く芸妓 神田巳珠
追い風を待ってきっちり乗った舟 牧野和子
車運転下戸の息子の方に乗る 尾畑晴代
ケーブルカーしんがりに付く乗車口 神田巳珠
汽車の旅柿の葉ずしと父のこと 豊野光子
奥さんにうまく乗せられお洗濯 樋口祐子
駆けてくる友を残していく列車 山辺和子
ブランコにのるとプチ恋また浮かぶ 小山紀乃
乗り越えた修羅は語らぬ深い皺 内田秀章
廃線が決まり淋しくゆれるバス 山辺和子
乗り継ぎの駅自販機でお茶二つ 椙元世津
風に乗り天まで登る奴凧 豊野光子
流行の波に乗れない山育ち 仲田秀子
口車すぐ乗せられるお人好し 倉田雄登美
おだてに乗って泥んこ舟を漕いでいる 佐藤純一
口笛で老妻が運転する新車 上村さな恵
男だって乗りたかったよ玉の輿 上野五柳
雨の日は銀河鉄道休みです 上野五柳
狸囃子に乗って浮かれて出す尻尾 長野峰明
一と電車すごし坐って行きましょう 村上静子
お迎えの車はどんな乗り心地 上野五柳
風に乗ったら西の果て迄流れ 水田象介
パパママに見られ得意な一輪車 村上氷筆
口車乗ってあげましょ好きだから 山口ヨシヱ
鈍行が好きで景色を見ています 椙元世津
空の旅嫌って風に乗った母 赤井花城
君の描く小さな夢に乗ってやる 長川哲夫

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兼題  「温暖化」  室田隆司 選
地球儀をぐるり世界が燃えている 前田久雄
温暖化見かけぬ虫が庭を這う 辰巳和子
亜熱帯に日本の地図を塗り変える 村上氷筆
温暖化タイタニックが浮上する 竹の内一人
自分だけ助かるつもり温暖化 豊野光子
変な気候ですねと軽く云いすぎる 椙元世津
温暖化地の底からの叫び声 長島敏子
温暖化舞妓はそっと紐を解く 長川哲夫
灰色の星になるかも碧い星 濱田英明
温暖化北の大地に実る秋 山辺和子
にんげんが住んでる事を忘れられ 山口ヨシヱ
温暖化蝶の乱舞に拍手する 橋本凉子
海面上昇ひたひた攻めてくる時間 萩原皐月
温暖化私も太る木も育つ 仲田秀子
猛暑つづき彼岸に蝉が恋をする 内藤夢彦
島国の領土は海に呑み込まれ 神田巳珠
いつの日か春夏秋冬死語ですか 沼尾美智子
ぱったりと姿を見せぬ雪女 水田象介
温暖化で河童の皿にもピロリ菌 松下比ろ志
南極もやがて避暑地になるだろう 内田秀章
温暖化どうあれかき氷が旨い 青木公輔
草花も狂い咲きする温暖化 樋口祐子
メダカの子そろそろ田んぼ干上がるぞ 長川哲夫
冬眠のリズムが狂う熊の冬 村岡義博
温暖化ペンギン達も大移動 村上静子
温暖化に肩身の狭い煙草の火 長野峰明
赤道へ南下つづける日本地図 村岡義博
温暖化四季の花さえ気もそぞろ 濱田英明
北極の氷もストレス溜めている 佐藤純一
贅沢になれて苦しい温暖化 前川千津子
温暖化流氷にクマが乗ってくる 野澤淑子
青い地球遠くに霞む温暖化 椙元世津
温暖化地球の怒りふくれ出す 小山紀乃
赤トンボ赤くなれない温暖化 水田象介
温暖化に仕切り直しの夏と秋 長野峰明
温暖化さわぐことないさんま焼く 仲田秀子
温暖化冬なら良いと祖母のいう 奥平駿曳
温暖化日本の四季を消して行く 辰巳和子
喜べぬ最高気温の新記録 内田秀章
この暑さ地球体調崩してる 小島知無庵
温暖化氷の悲鳴きこえぬか 野澤淑子
暖冬といえば間違いない予報 上野五柳
温暖化恋の季節が早くなる 上野五柳
温暖化ノアの箱船予約する 豊野光子
下の世話避けて進んだ富のツケ 室田隆司

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兼題  「九月」  奥平駿曳 選
体育祭の練習始まった九月 村上静子
秋の彼岸をわたしとあなた花を選る 田中節子
赤飯もいただきまして敬老日 小山紀乃
彼岸花添えた手合わせ感謝する 河端世起子
九月ですアートネエチャー予約する 前川千津子
貿易センター爆破の九月忘れない 村上静子
風鈴も休み九月の梨葡萄 前川千津子
今年こそ虎は九月に吠えている 宮本喜明
秋彼岸今年は暑いなあと墓 上野五柳
彼岸花九月の顔できく法話 山辺和子
皆揃う母のおはぎと彼岸花 小山紀乃
溌溂と九月は子等の運動会 松下比ろ志
秋九月作業開始の笛が鳴る 室田隆司
長月の暑さ暑さにやせ細る 樋口祐子
重陽の節句お供へ餅を搗く 神田巳珠
菊の芽は九月の風を知っている 山本芳男
九月に鳴る風鈴何んとなく淋し 村上静子
長月の長々し夜を人恋し 赤井花城
九月母の忌鼓弓がむせぶ風の盆 花田俊枝
熟年はまだまだ若い敬老日 森山勝彦
お彼岸を覚えていたか曼珠沙華 濱田英明
暑い暑いと九月は逝ってしまうのか 沼尾美智子
夏バテを持ち越しながら九月入り 山岡幸一
九月場所モンゴルの風ちと寒く 樋口祐子
野の仏九月の風をふわり着る 山辺和子
秋は足ばや九月の自分取り戻す 花田俊枝
残り火が九月の風に紅を引く 長野峰明
風の盆去って残った酔芙蓉 山本ひさゑ
九月にはサヨナラだけの恋ひとつ 吉川千穂
大型台風九月を避けているようだ 青木公輔
曼珠沙華燃える思いの九月かな 倉田雄登美
九月まで生きていたいとセミしぐれ 濱田英明
敬老日九月は老いを悟る月 松下比ろ志
爽秋は死語になったかこの九月 村上氷筆
初体験終えて日焼けの始業式 内田秀章
曼珠沙華あなたも九月生れかね 神田巳珠
ひと夏の恋は九月の風と消え 仲田秀子
九月の海へ残してならぬ恋流す 仲田秀子
腹いっぱい九月を食べてメタボかな 佐藤純一
月はよし君も綺麗だセプテンバー 内藤夢彦
名月に酒を酌む凛として九月 佐藤純一
日本酒とビールが旨いのが九月 山本芳男
九月の磯誰も拾わぬ桜貝 仲田秀子
うかうかと過ごし今年もあと三月 上野五柳
天高く妻だけ肥えている九月 内田秀章
長びいた暑さ九月を長くする 奥平駿曳

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【出席者】 (順不同・敬称略)
吉川 千穂 花田 俊枝 内田 秀章 長島 敏子 神田 巳珠 山本 芳男
上野 五柳 前川千津子 田中 節子 山口ヨシヱ 村上 静子 沼尾美智子
水田 象介 牧野 和子 長野 峰明 尾畑 晴代 橋本 凉子 濱田 英明
小島知無庵 佐藤 純一 奥平 駿曳 野澤 淑子 田中 節子 仲田 秀子
山辺 和子 小山 紀乃 萩原 皐月 松下比ろ志 椙元 世津 村岡 義博
倉田雄登美 室田 隆司 豊野 光子 内藤 夢彦 青木 公輔 長川 哲夫
樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
宮本 喜明 辰巳 和子 村上 氷筆 竹の内一人 前田 久雄 河端世起子
山岡 幸一 森本 高明 山本ひさゑ 森山 勝彦

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