平成19年5月20日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「野外」 村岡義博 選
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海開き自信のビキニ試すとき |
室田隆司 |
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神戸大好き海も山もすぐそこ |
杉山ひさゆき |
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探し物に疲れて外の空気吸う |
増田左代子 |
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着飾って野点の席で汗を拭く |
前川千津子 |
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野外から子供の声が薄れ行く |
水上たお子 |
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風薫る引きこもらずに野に出よう |
上野五柳 |
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れんげ草初恋憶う青い空 |
倉田雄登美 |
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川岸で埴生の宿のハーモニカ |
長島敏子 |
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野外劇場ローマ人の声ひびく |
上野五柳 |
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れんげ田に寝転び鳥と話する |
山口ヨシヱ |
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夏夜更け涼しい風の童話聴く |
牧野和子 |
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図鑑手に子供つれ出す茸狩り |
内田秀章 |
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柵の中ぐるぐる野へ出たいトラ |
上野五柳 |
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ときめいて若葉手に取り深呼吸 |
倉田雄登美 |
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野外から一報赤ちゃんが生れる |
増田左代子 |
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畦道でピーピー豆を吹きふたり |
樋口祐子 |
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野生蘭墨絵に描いた廃寺跡 |
内藤夢彦 |
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ゆったりとベンチの視野に子ら走る |
椙元世津 |
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野外活動シブシブパパも参加する |
橋本凉子 |
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車から放され犬は野を駆ける |
村上静子 |
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懐かしの野外授業はお城跡 |
内藤夢彦 |
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別荘の自慢は庭のバーベキュー |
室田隆司 |
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キャンプ場星の真下で告げる恋 |
長島敏子 |
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幽玄に闇くろぐろと薪能 |
森山勝彦 |
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野原にいてもまだ数式を解いている |
田中節子 |
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大の字に草の褥を我がものに |
豊野光子 |
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久しぶり亡夫に逢う日の花手桶 |
上村さな恵 |
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野外行くわがふところに憂いなく |
長川哲夫 |
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忙しいパパで庭先バーベキュー |
みぎわはな |
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樹も鳥も唱和す森の音楽会 |
みぎわはな |
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新緑の夜風かがり火能舞台 |
田中節子 |
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アウトドア言うてもクルマガスコンロ |
杉山ひさゆき |
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おにぎりを買って野外で子と遊ぶ |
村上静子 |
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老斑はもう気にしない紫外線 |
水田象介 |
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園遊会一度位は出てみたい |
椙元世津 |
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決断のつかぬひととき野点する |
樋口祐子 |
佳 |
枯野とて入るな荒らすな我が庭ぞ |
豊野光子 |
佳 |
茫茫と荒野を駆けた駑馬の夢 |
森山勝彦 |
佳 |
見抜かれた野心野外に捨てに行く |
山本芳男 |
佳 |
野外にて女一途に燃えた恋 |
吉川千穂 |
佳 |
ブランコを高くみどりの風になる |
みぎわはな |
人 |
共存を野外の虫に教えられ |
山本芳男 |
地 |
野外にも火種を持ってくる女 |
吉川千穂 |
天 |
丹波まで僕の化石を掘りに行く |
水田象介 |
軸 |
ゲーム機を持って野外へ出かける子 |
村岡義博 |
兼題 「波」 吉川千穂 選
ラ |
午前二時消えた親父の心電図 |
水田象介 |
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津波の恐怖語り部は使命とす |
尾畑晴代 |
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人の波吐いて吸うての都市の駅 |
山本ひさゑ |
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小石投げ君から返る波紋待つ |
村上氷筆 |
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年金の波間にゆれるボクの首 |
宮本喜明 |
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愛憎の波が獣と化してゆく |
宮本喜明 |
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打ち返す波を見ていてフアイト湧き |
村上静子 |
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波風を立てに時々姑が来る |
内田秀章 |
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波の音聞いてうれしいひざ枕 |
倉田雄登美 |
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穏やかと厳しさがある波無色 |
山本芳男 |
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せわしない波だこれはきつとオカン |
室田隆司 |
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さざ波を立てて静かに櫓がきしむ |
橋本凉子 |
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漂うて過去も未来も空の色 |
みぎわはな |
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さざ波と戯れているひとりぼち |
山口ヨシヱ |
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波乗りが下手で帆柱軋みだす |
長島敏子 |
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波風を立てねば欠伸ばかり出る |
杉山ひさゆき |
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言いすぎて大波小波うねりだす |
森山勝彦 |
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椰子の実が身を任せたは寄せる波 |
斉藤功 |
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故郷の波を見守る風車 |
前川千津子 |
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人並みに揉まれて上手くなる手品 |
増田左代子 |
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大波小波椰子が運んできたポエム |
竹内一人 |
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愛と哀寄せては返す波の間に |
みぎわはな |
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引き潮に托して流す春の鬱 |
みぎわはな |
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さざ波が愛のささやき繰り返す |
内田秀章 |
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大波小波人生なんて恋なんて |
長島敏子 |
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来し方の思い貧しく波の音 |
樋口祐子 |
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大波を受けてゆるがぬ屋台骨 |
豊野光子 |
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打ち寄せる波のしぶきか高鼾 |
長川哲夫 |
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丸太抱き憶いを胸に波まかせ |
倉田雄登美 |
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寄せ返す波に乗れない私です |
山岡幸一 |
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荒波よ何の不満があったのか |
前川千津子 |
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ひたすらにデジタルの波かいくぐる |
沼尾美智子 |
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退職後妻の波長に合わす日々 |
上野五柳 |
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さざ波のリズムに呼ばれ里帰り |
上村さな恵 |
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きれいな素顔に歳月の波がある |
花田俊枝 |
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波打際で囁くここだけの話です |
青木公輔 |
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陽が沈むまでさざ波とたわむれる |
村上静子 |
佳 |
波に乗り試練の旅に出る子亀 |
内田秀章 |
佳 |
波は斜めに私の吐息責めてくる |
青木公輔 |
佳 |
さざ波の律儀寄せては又返す |
前川千津子 |
佳 |
波静か琴の音かすか空の碧 |
橋本凉子 |
佳 |
三度目の波で私はとけました |
水田象介 |
人 |
春の波こころへとどく夢模様 |
花田俊枝 |
地 |
波風が刺激となって仲直り |
椙元世津 |
天 |
恋の予感大阪湾の波光る |
水田象介 |
軸 |
波紋呼ぶはなしの中にみた嫉妬 |
吉川千穂 |
兼題 「楽」 水田象介 選
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乳房二つ谷間は僕の桃源郷 |
尾畑晴代 |
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道楽の兆しハーレムへの序曲 |
竹内一人 |
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極楽行きの予約宇宙にメールする |
村上氷筆 |
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苦も楽ももういりません睡いので |
宮本喜明 |
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楽ばかりして来たツケが追い回す |
赤井花城 |
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楽しみに習うわたしのあいうえお |
前川千津子 |
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あれは幻遠い景色になる楽譜 |
田中節子 |
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出世欲絡む楽屋のうらの裏 |
長島敏子 |
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人呑んで出番待っている楽屋裏 |
山口ヨシエ |
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年金にたかり外では貢がせて |
室田隆司 |
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何もかも脱ぎ捨てました気楽です |
村岡義博 |
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アルバムはモノクロ楽しかった日々 |
沼尾美智子 |
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六道で極楽の辻捜しててる |
神田巳珠 |
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楽に儲ける宝くじしか浮かばない |
上野五柳 |
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苦を楽に変えるお酒に夢がある |
山本芳男 |
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ふられてもプラス思考の楽天家 |
倉田雄登美 |
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楽楽と歩く何と難しいことか |
椙元世津 |
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極楽へ美味しい酒をキープする |
内田秀章 |
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アイウエオ私の中の楽天家 |
吉川千穂 |
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道楽も飲む打つだけとなりました |
内藤夢彦 |
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固焼きを耳で楽しむ丈夫な歯 |
村岡義博 |
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はやくおたべ楽ではないの入歯です |
倉田雄登美 |
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好景気楽に無縁の低所得 |
濱田英明 |
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楽々とプールで仰向けに浮かび |
村上静子 |
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ハイヒール脱ぐと小指が背伸びする |
杉山ひさゆき |
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雑踏の街で楽しい友に逢う |
牧野和子 |
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ベルト穴ひとつ緩めるバイキング |
辰巳和子 |
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何もかも楽しと思い生きている |
みぎわはな |
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手順替え昼寝の時間ひねり出し |
内藤夢彦 |
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甘えてた亡母の据膳懐かしい |
椙元世津 |
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極楽のすぐお隣が地獄かも |
森山勝彦 |
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前例を持ち出してくる楽だから |
村岡義博 |
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楽観が油断を呼んで外す的 |
長島敏子 |
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神様に命預けて楽に生き |
豊野光子 |
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行楽地避けてつつじの山を行く |
橋本凉子 |
ラ |
楽しくてあしたの日記つけている |
田中節子 |
佳 |
育て終え楽になつたら落ち着かず |
倉田雄登美 |
佳 |
どっちみち道楽者だ地獄行き |
上野五柳 |
佳 |
親に楽させる約束果たせない |
辰巳和子 |
佳 |
楽の種探し苦労の種拾う |
濱田英明 |
佳 |
金と暇ありすぎ気楽持て余す |
内田秀章 |
人 |
楽隠居どころか介護の親がいる |
室田隆司 |
地 |
お楽に言われ素直に横になる |
杉山ひさゆき |
天 |
楽しみは夫の保険待つ余生 |
内田秀章 |
軸 |
楽しくて仕様がないので死にまする |
水田象介 |
兼題 「群れ」 田中節子 選
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えげつなく値切る大阪弁の群れ |
内田秀章 |
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千の風まだ群れにいていいですか |
長島敏子 |
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雨上がりふふっと群れるすみれ草 |
沼尾美智子 |
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故里は過疎熊野カラスの群千羽 |
尾畑晴代 |
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群集の足並み九条へ揃う |
神田巳珠 |
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群れからをいつも遅れているわたし |
前川千津子 |
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群れて咲く白詰草の主張かな |
前川千津子 |
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伝書鳩だった仲間と餌拾う |
室田隆司 |
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水族館イワシの群れの中にボク |
村岡義博 |
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エンジン快調鰯の群れに突き進む |
村上氷筆 |
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群れを出た男の寒い風がある |
山本芳男 |
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老人に群れてお八つをねだる鳩 |
水上たお子 |
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思慕募る羊の群れがつづく夜 |
宮本喜明 |
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群羊へ別れを告げる定年日 |
長川哲夫 |
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群れの中僕は一体どこに居る |
杉山ひさゆき |
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群生に守られ小さな花が咲く |
豊野光子 |
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菜の花に遍路の群が溶けて行く |
辰巳和子 |
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小麦肌サンバの群れを追うカメラ |
村岡義博 |
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若者の群像街を眠らさぬ |
山本ひさゑ |
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二枚舌が群れ飛ぶいかがわしき集い |
青木公輔 |
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初夏の風物詩となるほたるの群れその他 |
青木公輔 |
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群衆に生きて仮面の二つ三つ |
宮本喜明 |
|
飽食に馴れたか街の群雀 |
神田巳珠 |
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群れているのは淋しがりやばかり |
尾畑晴代 |
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雑魚なりに群れて気勢を揚げている |
上村さな恵 |
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群れからは外れてしまう天の邪鬼 |
椙元世津 |
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つつじの朱狂わずにいる群れの中 |
花田俊枝 |
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夕立が割り込んでくる人の群れ |
前田久雄 |
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ご馳走があるのか蟻の群れ動く |
前川千津子 |
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群れの中でわたしも飛べるかも知れぬ |
山本ひさゑ |
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銀鱗が群れて恋しい川のぼる |
長川哲夫 |
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群羊に遠く離れて草を食む |
赤井花城 |
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れんげ群生セーラー服がよく笑う |
沼尾美智子 |
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月は満ち山から蟹が浜に満ち |
水田象介 |
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本心を隠して群れの中にいる |
村岡義博 |
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群青の海は他人の顔をする |
山口ヨシヱ |
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群れの中横むくことを許されず |
みぎわはな |
佳 |
損得を考えだした群れの猿 |
山本芳男 |
佳 |
何かある度に数字を振りかざす |
杉山ひさゆき |
佳 |
群れをなす鴉不吉が降ってくる |
村上氷筆 |
佳 |
カラスの群れに団結という字が浮かび |
椙元世津 |
佳 |
羊では眠れず鰯を数える |
水田象介 |
人 |
群れから外れ大道を歩いてる |
樋口祐子 |
地 |
群から少し離れた位置で飯を食う |
樋口祐子 |
天 |
椋鳥のねぐらに意思を投げつける |
水田象介 |
軸 |
穏やかな群れの空席ございます |
田中節子 |
兼題 「植える」 椙元世津 選
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植え違えてかかおかしな物が生えてきた |
青木公輔 |
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ベランダの俄か園芸構いすぎ |
みぎわはな |
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プロポーズ心に愛を植えつける |
森山勝彦 |
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もう嘘を植え付けているパパとママ |
田中節子 |
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募金箱へヒヨイと善意の芽を植える |
竹内一人 |
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柘榴植える子孫繁栄すると聞き |
尾畑晴代 |
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孫の手が三株植えたミニトマト |
斉藤功 |
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植え替えて葉ばかり繁る花の乱 |
水上たお子 |
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転び転びながら根性おも植わる |
山本ひさゑ |
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種子蒔きてやっと実った恋のはな |
吉川千穂 |
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鉢植えの豌豆蝶も遊んでる |
神田巳珠 |
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マイホーム私が植えた金木犀 |
山口ヨシヱ |
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植えて水大きな花を期待する |
前川千津子 |
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窮屈そうな鉢から土へ植え替える |
村上静子 |
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植え替えた私の花はアマリリス |
内藤夢彦 |
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どん底でみつけ咲かせた苗がある |
吉川千穂 |
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記念樹を植えるこの子に幸あれと |
村上氷筆 |
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開発の余波植林の眼が育つ |
竹内一人 |
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もどきとも知らずに植えて慈しむ |
室田隆司 |
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荒れ果てた地球労る木を植える |
内田秀章 |
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鉢植えのトマト楽しむ過疎の母 |
樋口祐子 |
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天皇も少し猫背の植樹祭 |
水田象介 |
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青春の樹へと育てと鉢の苗 |
長川哲夫 |
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柊を鬼門に植えて父は逝き |
辰巳和子 |
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金の成る木を植えながらほくそ笑む |
竹内一人 |
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期することまだあり山に木を植える |
上野五柳 |
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文字植える如く無心の和紙を埋め |
牧野和子 |
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花植えて無風地帯に身をおきぬ |
前田久雄 |
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立葵植えて届かぬ花の位置 |
花田俊枝 |
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父の髯植毛したか多くなり |
河端世起子 |
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ベランダに団地の趣味の花並ぶ |
倉田雄登美 |
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急がねばやっと間に合う茄子胡瓜 |
前川千津子 |
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マスコミが憲法改正植えつける |
村上氷筆 |
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脳年齢は若いと暗示植えつける |
上村さな恵 |
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伸び悩む新芽植え替えられてから |
長島敏子 |
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百年の希みを托す植樹祭 |
赤井花城 |
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花の苗植えて沢山夢を見る |
山本芳男 |
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明治の顔で聳える天皇の植樹 |
増田左代子 |
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じか蒔きと言う故里に母達者 |
前川千津子 |
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苗木植えてまだ長生きをするつもり |
室田隆司 |
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鉢植えのネギで間に合う朝の汁 |
村岡義博 |
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寄せ植えにきらりお嫁さんのセンス |
沼尾美智子 |
人 |
記念樹に集えば歌う仲間達 |
赤井花城 |
地 |
若夫婦ねぎの根っ子を植え終る |
豊野光子 |
天 |
早乙女の母は少女の顔をもつ |
上村さな恵 |
軸 |
通り道皆んなが褒める花畑 |
椙元世津 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
吉川 千穂 |
花田 俊枝 |
内田 秀章 |
長島 敏子 |
神田 巳珠 |
山本 芳男 |
上野 五柳 |
前川千津子 |
田中 節子 |
山口ヨシヱ |
村上 静子 |
沼尾美智子 |
みぎわはな |
水田 象介 |
森山 勝彦 |
牧野 和子 |
増田左代子 |
水上たお子 |
橋本 凉子 |
濱田 英明 |
椙元 世津 |
村岡 義博 |
倉田雄登美 |
室田 隆司 |
豊野 光子 |
内藤 夢彦 |
青木 公輔 |
長川 哲夫 |
杉山ひさゆき |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
宮本 喜明 |
辰巳 和子 |
村上 氷筆 |
竹の内一人 |
前田 久雄 |
尾畑 晴代 |
河端世起子 |
山岡 幸一 |
山本ひさゑ |
斉藤 功 |
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