平成17年1月30日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「鳥」  奥平駿曳 選
新築の家に番いの鳥が住む 上村さな恵
小心の鳥へ言葉を教えよう 前川千津子
鳥になる夢は今でも持っている 辰巳和子
窓越しに箱入り猫が鳥を追う 水上たお子
庭に撒くエサ鵯がひとり占め みぎわはな
愛らしいヒヨコわたしもこんなだったのに みぎわはな
大空を翔けよと送る子の巣立ち 森山勝彦
失恋の孔雀は羽がとれていた 萩原典呼
鶴ほどに吾も舞いたい愛の曲 松下比ろ志
鶴折って祈って母を看ています 山本芳男
荒磯に誰を待つのか浜千鳥 長島敏子
人間のエゴを無視して鳥が飛ぶ 中本三桂
鳥のフン庭に見知らぬ木をくれる 村上静子
千鳥足門燈見えて深呼吸 宮本喜明
カモメ飛ぶ灯台守へ愛がある 中本三桂
雛鳥も一声鳴いた初日の出 松下比ろ志
ちぎり絵の小鳥夜中に飛び遊ぶ 竹下かすみ
焼鳥の匂いに負けてのれん押し 倉田雄登美
生ゴミを出す日をカラス知っている 室田隆司
寒椿つつくメジロへ雲切れる 村岡義博
春の鳥はや来て歌う鄙の庭 黒嶋海童
巣箱から忘れた頃に雛の声 島田握夢
もう別れよう平気でスズメ喰う女 中岡千代美
革新の闘志もいつか風見鶏 村上氷筆
目が合うてあいさつくれる雀の子 山口ヨシヱ
鶏鳴を騒音と言う淋しい世 小坂信子
大空の青さに鳥が溶けて冬 吉川千穂
おおらかにメジロさえずる寒椿 上原翔
大鳥になる子と信じ育てあげ 黒嶋海童
一家団欒幼き頃の鶏の鍋 尾畑晴代
地震の窓きのうは一羽今日は二羽 長川哲夫
背を押されうちの雄鳥やおら鳴く 長野峰明
人口の巣には近寄らぬこうのとり 萩原皐月
白鳥の白さの中にみた命 吉川千穂
平等に育てた雛の色違い 山中忠
やき鳥の串がお酒を追加する 泉比呂史
ふるさとへ歌を忘れた鳥帰る 仲田秀子
九官鳥照れずにあんな事喋り 島田握夢
青い鳥お隣りまでは来た模様 辰巳和子
つくづくと鳥になりたい空の青 沼尾美智子
懸命にけいこしてますホーホケキョ 神田巳珠
枝から枝へとんだ鳥にも得手不得手 上村さな恵
どっこいしょ真似る九官鳥も老い 内田秀章
豆を手に仲間はずれの鳩へ寄る 古谷日出夫
鳥百態されど日本は鶴である 尾畑晴代
健康に良いと鶏鍋ばかり喰う 奥平駿曳

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兼題  「多い」  仲田秀子 選
夢多感少年の瞳が凛と張る 山本芳男
四五人で多い子持ちとあきれられ 水上たお子
愚痴ならば一気に吐ける四百字 竹内一人
やっぱりね賀状の多さ父トップ 河端世起子
みんな他人で階段の多い街 柿木英一
一言が多くて恋に逃げられる 辰巳和子
思い出の写真が詰まる箱を抱く 椙元世津
太郎の皿に少し多目にとり分ける 萩原皐月
人混みを抜けると寒い背なになる 小山紀乃
馴染み客ちょっと多めに飯を盛る 長川哲夫
老いた脳情報過多にショートする 内田秀章
開店の粗品買い足す客の入り 古谷日出夫
親の愛過ぎて巣立てぬ鼻ピアス 長島敏子
毎日毎日書いた恋文蓄められる 泉比呂史
たっぷりと夕餉の膳に白い飯 竹下かすみ
多過ぎる犠牲の上に有る平和 上原翔
父の背に数えきれない疵の跡 山中忠
雑踏の顔、かお、貌、にあるドラマ 古谷日出夫
バラ多情青色にまで身を染める 森山勝彦
四次会が済んでも二人にまだなれず みぎわはな
正論をよそに無関心の多数決 みぎわはな
夜遊びで学んだことが多くある 中本三桂
リタイヤで妻の無駄口多くなり 前田久雄
家路には暖簾の関所たんとある 黒嶋海童
何でも多目です大家族育ち 荒垣秋野
梅田駅ジグザグ人をすり抜ける 沼尾美智子
釣り銭が多いさっさと店を出る 杉山ひさゆき
錠剤をいくつ数えて冬日射す 宮本喜明
嘘の多い男の側でガムを噛む 樋口祐子
酒煙草だけなら多額納税者 内田秀章
多くもなく少なくもない妻の愛 松下比ろ志
想い出の多い小石を蹴ってみる 山口ヨシエ
一と言が多くてお茶が濁りだす 古谷日出夫
多言無用あっちこっちで喋ってる 山田蔦路
メス持ってお詫びの多い医療ミス 中本三桂
角すこしずつ削られて多面体 小山紀乃
バースデー両手に余るバラの花 大栗智恵子
好きだった花を多めに父の墓 辰巳和子
吸がらの山が証の待ちぼうけ 長野峰明
気苦労の多さ知ってる寒の月 上村さな恵
春うらら多辯になった花あんず 上月智恵子
満天の星に明日を誓い合う みぎわはな
置き去りのふる里の山星の降る 宮本喜明
いい夢が見たいブランコ多く漕ぐ 山本芳男
青春は多難だったね日向ぼこ 山口ヨシエ
口数の多い夫が逝って寂 仲田秀子

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兼題  「カード」  萩原皐 選
夫よりはるかに気前よいカード 内田秀章
人生のカードにジョーカーは要らぬ 中西保子
妻の持つイエローカードにうろたえる 大栗智恵子
メカオンチカード要らぬと痩せ我慢 内藤夢彦
スキミングのカードへバンクとぼけてる 森山勝彦
開けごまカードですっと開くドアー 中西保子
切札は笑顔の裏に隠しもつ 豊野光子
千里の馬がつまずいたのはカード 村岡義博
財布には札よりカード巾利かす 倉田雄登美
ケチだからやっぱりカード無用論 山田蔦路
誘惑に負けたカードを抱いて冬 山中忠
ドナーカード命を救う人増える 中本三桂
目を皿にカードマジック騙される 森山勝彦
明日からタイムカードは要りません 水田象介
私生活キャッシュカードは知りつくす 古谷日出夫
いちまいのカード私を攻めに来る 山口ヨシエ
改札でピンポン残高の不足 萩原典呼
あれもこれも整理出来ないカード入れ 小山紀乃
カード持つ便利さそして恐ろしさ 山口ヨシエ
クレジット、カッコいいけど所詮ツケ 長川哲夫
引き出しにいじけて眠るテレカたち 室田隆司
保険証がカードになっている命 前川千津子
イエローカードまだ後悔はせぬ構え 長島敏子
酩酊を嫌ういけずなカードキー 竹内一人
診察券仲よしになる老の坂 椙元世津
カード詐欺に現金持てばひったくり 尾畑晴代
ポイントの貯まるカードでまとめ買い 沼尾美智子
カードだけ売って電話を撤去する 杉山ひさゆき
使い切ったカードのようだけど拾う 島田握夢
スペードのエースを二枚持つ強気 中岡千代美
カード繰る男の指に魅せられる 水上たお子
何枚も診察券を持つ暮し 椙元世津
カード乱発多重債務が追いかける 黒嶋海童
買物にゴルフカードは置いてゆく 萩原典呼
レッドカード出ない程度にする浮気 内田秀章
沢山のカードを持って飢えている 山本芳男
切札を握ったままに恋終る 蛯原正弘
ポーカーフェイスやっぱり妻が上手です 村上氷筆
気弱い男ジョーカー持ってる顔だ 尾畑晴代
千円に一回払いでいいですか 島田握夢
一枚のカードの磁気に潜む修羅 赤井花城
友の出すイエローカードに救われる 上原翔
イコカカードあなたの街へ一直線 長島敏子
カード狂乱人間がうすくなってきた 樋口祐子
人生のカードゆっくり切り直す 山口ヨシエ
さりげなく添える記念日のカード 萩原皐月

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兼題  「和食」  小山紀乃 選
味噌汁とごはんで駆ける朝の駅 山口ヨシエ
肉じゃがでセレブな彼をゲットする 辰巳和子
思案してとどのつまりは和定食 内藤夢彦
重箱に和食の粋を詰めて春 水上たお子
だし巻きの妻の手料理ほめてやる 山田蔦路
天丼を定番として馴染む店 赤井花城
和食にしようってうどん屋ではないか 島田握夢
おさしみもつやつや光る膳につく 上月智恵子
板さんを部屋に呼び出す味の良さ 村上氷筆
つまやかにはんなり京のおばんざい 沼尾美智子
精進料理禅のこころで箸を持つ 中本三桂
恨めしい目をして睨む活け造り 内田秀章
漬物とご飯で決める和定食 長川哲夫
宿坊の味をいただく胡麻豆腐 古谷日出夫
麦飯にトロロパワーを当てにする 竹内一人
板さんの勘に障った箸使い 中岡千代美
一膳がこんなに美味い北新地 長川哲夫
自家製の沢庵締めの店が好き 増田左代子
なにもかも中流が良い和食好き 山田蔦路
懐石の雅へ背筋伸ばされる 森山勝彦
何にでもお醤油かける和食通 森山勝彦
グルメなら蟹にまとまる主婦の旅 泉比呂史
胃袋がキシキシと鳴るカニづくし 樋口祐子
自家製の梅干抱えパリの旅 宮本喜明
高速で行けばお昼に京の味 小坂信子
冬ひとり嵯峨野へ豆腐食べに行く 前川千津子
脂肪値が和食にしろと言い募る 上原翔
これぞ和食いかえびかにの鍋囲む 中本三桂
ちらしずし庭の山椒を摘んでくる 椙元世津
歯応えは讃岐うどんに敵わない 竹内一人
松花辨当琴の調べを聞き乍ら 橋本凉子
おすましは姑がおしえてくれた味 豊野光子
ストレスが里の和食で癒される 水上たお子
引きついで母から娘へと小豆粥 小坂信子
料亭の高価を捨てたゴミ袋 増田左代子
のっぺ汁湯気の向こうの故郷の春 長島敏子
手料理の母の塩梅忘れない 上原翔
たらの芽がもう食卓に北の旅 長島敏子
食材はどれも輸入という和食 村岡義博
究極の和食は母の朝御飯 蛯原正弘
「めし」とある古看板に湧く旅情 松下比ろ志
原点の和食に還る老夫婦 萩原皐月
正月の膳に一礼正座する 倉田雄登美
一徹な父に茶漬けの音がある 山本芳男
孤独死をじっと見詰める白い飯 山中忠
時差ボケを癒やしてくれた茶碗蒸し 内藤夢彦
お茶漬けの味でほどよい距離にいる 山口ヨシエ
すきやきの旨味世界へ翔んでいる 小山紀乃

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兼題  「予感」  泉比呂史 選
美人薄命妻がポックリ逝く予感 内田秀章
予感通りにパチンコ減ってくる 島田握夢
良い予感だけを信じて飯を炊く 蛯原正弘
予感して回れ右するしぐれ道 山口ヨシエ
親展の封筒いやな予感する 竹下かすみ
合格の予感に口笛など吹いて 上月智恵子
この度の見合も駄目な予感する 村上静子
これ以上逢えば不倫になる予感 辰巳和子
つゆほどの予感になかった言葉きく 竹下かすみ
何の予感朝から犬が鳴きやまぬ 中西保子
ある予感スピード落とす車たち 室田隆司
部長と課長が僕をちらちら見る予感 中岡千代美
きっと来る予感へ合鍵を渡す 内田秀章
椿ぽとり親しき友の訃の知らせ 橋本凉子
おめでたの予感小さな梅が咲く 長島敏子
或る予感電話のベルが鳴りやまぬ 室田隆司
晴れやかにうれしい予感握りしめ 山口ヨシエ
仲直り出来そう一歩退いてみる 古谷日出夫
中吉を引いた今年も頑張ろう 前川千津子
逢えそうな予感風花舞っている 小山紀乃
流れ星恋の予感を温める 森山勝彦
初恋の姉には予感黙っとく 山田蔦路
指切りの指裏切りを予感する 小坂信子
予感的中大きな皿が欠けている 神田巳珠
靴音が嬉しい予感連れて来る 橋本凉子
あの人に会える予感の春の道 黒嶋海童
恋の予感にまぶしく揺れるイヤリング 村上氷筆
胸騒ぎあの時星になった友 村上氷筆
寸志だと貰ってからの胸さわぎ 古谷日出夫
美しい予感を貰う春の虹 赤井花城
いい予感返信の墨濃ゆく磨る 山本芳男
深呼吸不吉な予感吹きとばす 沼尾美智子
春のポストはぬくい予感が詰まってる 萩原皐月
新調の靴が知ってるある予感 上村さな恵
後任がうしろに立っている予感 松下比ろ志
ある予感胸に抱いてた種を蒔く みぎわはな
ひとり旅新たな出逢い予感する 萩原皐月
夢追うていくとせ側にある骸 樋口祐子
もう来ない気がしてハブラシを捨てる 萩原典呼
ふり払う予感の先に霙ふる 宮本喜明
梅香る逢える予感の曲り角 仲田秀子
会えそうな予感に次のバスを待つ 古谷日出夫
この道でよかった私らしく立つ 沼尾美智子
幸せの予感でつもる牡丹雪 上村さな恵
鏡拭く昔の顔に逢えそうで 山中忠
求婚の予感で湖面見ています 泉比呂史

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【出席者】 (順不同・敬称略)
長野 峰明 山田 蔦路 室田 隆司 中西 保子 長川 哲夫 上原  翔
吉川 千穂 倉田雄登美 森山 勝彦 前田 久雄 豊野 光子 内藤 夢彦
内田 秀章 橋本 凉子 沼尾美智子 蛯原 正弘 仲田 秀子 山中  忠
村上 氷筆 竹下かすみ 山口ヨシエ 上村さな恵 黒嶋 海童 柿木 英一
水上たお子 萩原 皐月 神田 巳珠 中本 三桂 みぎわはな 杉山ひさゆき
荒垣 秋野 中岡千代美 村上 静子 長島 敏子 宮本 喜明 古谷日出夫
小坂 信子 水田 象介 増田左代子 松下比ろ志 前川千津子 村岡 義博
山本 芳男 萩原 典呼 辰巳 和子 椙元 世津 小山 紀乃 泉 比呂史
新里 俊郎 島田 握夢 尾畑 晴代 奥平 駿曳 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
竹内 一人 上月智恵子 大栗智恵子 青木 公輔 河端世起子

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