平成16年9月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
特別席題  「スポーツ」  橋本凉子 選
スポーツで鍛えた腕の大太鼓 中西保子
ハードルを越えて選手の光る汗 長島敏子
スポーツに優れ大学入試パス 福島直球
ランナーの油断躓く石が待つ 山本芳男
カッコよくスマッシュしたがギクリ腰 村上氷筆
緊張した体操服が演技する 竹下かすみ
校庭のリレー音楽聞いて秋 前川千津子
金メダル日の丸そえて光だす 長野峰明
スポーツはだめです三毛も昼寝する 田中節子
この秋はテニスコートで君と舞う 樋口祐子
欲のないスポーツ今日も走ってる 山田蔦路
スポーツというほどでもないストレッチ 流郷貞子
キャディ務めた父と抱き合う初勝利 内田秀章
わたしのスポーツ蒲団たたんで床ふいて 沼尾美智子
スポーツ記事裏に厳しいドラマ秘め 奥平駿曳
素潜りへ気ばかり焦り浮く体 坂下安伸
深い秋抜かされていくウォーキング 田中節子
卓球も愛ちゃんも好き老ひとり 山田蔦路
草野球金もないけどストもない 長島敏子
卓球のあと珈琲をさそわれる 前川千津子
美しい汗だったよねパラリンピック 荒垣秋野
風に乗り声援球場から聞こえ 椙元世津
涼風へゲートボールの声はずむ 村上静子
スポーツの後にカンパイする仲間 吉川千穂
肩書きがとれて気軽にウォーキング 前田久雄
健常者も脱帽パラリンピック金 柿木英一
特製のシューズが誇る金メダル 古谷日出夫
ホールインワン俺の一年分稼ぐ 島田握夢
走る子とカメラも運動会で走り 椙元世津
ジョギングで格好いい尻追いかける 水田象介
モンゴルの熱気弾ける砂かぶり 柿木英一
夫婦してスポーツできる身に感謝 村上氷筆
パラリンピック明るい選手いい笑顔 村上静子
ドーピングばれて哀しい金メダル 長島敏子
わたしにもテニスコートを駆けた恋 沼尾美智子
イチローは神戸が生んだ国の華 小島知無庵
聖火舞うアテネで古代とラブコール 田中加津子
甲子園アテネの陰に見えかくれ 室田隆司
プロ野球ストで今夜は早寝する 村上静子
喝采を身体で受けて自由形 山本芳男
グローブにぴしりと入る音が好き 椙元世津
汚れないハンマー期待どおり金 村岡義博
シンクロの美女整然と美を演じ 田中加津子
二人三脚のレースに親子息が合う 上村さな恵
感動は義足で駆けるあの闘志 内藤夢彦
オール持つ手の平何度破ったか 水田象介
板蹴って人は鳥にも魚にも みぎわはな
ホームラン歓声に湧き碧き天 橋本凉子

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「荷」  内藤夢彦 選
全没へも宅配で着く大会誌 上原翔
荷を下ろしひと息そばにスミレ草 みぎわはな
右往左往しているだけの夫荷物 増田左代子
割れもの注意の荷札をつけて嫁が来る 内田秀章
お荷物になるがと土のついた芋 水上たお子
たいそうな天地無用の荷が届く 大栗智恵子
軽い荷を重く見せてる見栄っぱり 田中加津子
重荷などとっくに捨てた月見酒 小島知無庵
どうせ口丈だこれ見よがしに荷を纏め 島田握夢
宅配便ほどくと母の温い声 村上氷筆
荷崩れをなおし直して八十路坂 古谷日出夫
ボディブローのように重荷が利いてくる 島田握夢
イラクの荷ブッシュの臍がむず痒い 長野峰明
荷の内に縁談も詰め売る薬 坂下安伸
おばけより怖いと荷物預り所 田中節子
荷をほどくときめきのある敬老日 流郷貞子
好きなもんばっかりくれる荷が届き 椙元世津
ありがとう母の背負った荷の重さ 前田久雄
荷車のひとつ幸せかもしれぬ 吉川千穂
たたんでたたんで荷を軽くする 田中加津子
宅配で18号のジュース来る 水田象介
肩の荷を分け合う人がいて温し 竹下かすみ
肩の荷をおろし女の紅の彩 吉川千穂
家宝のつぼ降ろすと荷台軽くなる 中西保子
走馬灯荷車からの亡母の声 樋口祐子
肩の荷をやっと卸せた棺の父 村上氷筆
鍵は何処旅の荷物を総ざらえ 水上たお子
里にゆき荷より大きな愛もらう 竹下かすみ
夜逃げの荷するり裏口から消える 中西保子
重い荷を運ぶ小さな美術品 増田左代子
いたわりの心の重荷折りたたむ 前田久雄
荷崩れを支えた父の手の強さ 山本芳男
いちばんの荷物わたしの天邪鬼 沼尾美智子
嫁入りの荷をうらやんでまだ独り 中西保子
ウップンを溜めて届いた左遷の荷 上村さな恵
栄転に心浮き浮き荷をまとめ 福島直球
網棚の荷から餃子の臭いもれ 水田象介
肩の荷をおろしてもらう外科の椅子 沼尾美智子
荷の中に媚薬はいつも入れてある みぎわはな
助け合う天災跡の荷の情 増田左代子
最後まで責任の名の荷を担ぐ 小山紀乃
満点でないがこなして荷を降ろす 椙元世津
お荷物にならぬならぬと一万歩 樋口祐子
新米が震える母の字で届く 竹内一人
自分史の残部ひそかに処分する 室田隆司
荷を解く前に終っていたドラマ 竹内一人
荷をほどきゃ一筆箋の温もりが 内藤夢彦

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「本心」  長島敏子 選
玉ネギの本心どこだ剥きまくる 長野峰明
子のために惜しみはしない我が命 上原翔
仏頂面バラ十本を贈りくる 竹下かすみ
本心を聞けず彼には拗ねてみる 坂下安伸
亡父遠くして父の本心を知る 増田左代子
本心の端が脈搏から漏れる 村岡義博
お互いに本音をぶつけさようなら 水田象介
本心がポロリこぼれた十三夜 村岡義博
本心が読めずぐずぐずした態度 島田握夢
本心が読めないままのいわし雲 前川千津子
うなずきうなずき本心を聞いてあげ 福島直球
本心を見せぬ男の苦労皺 山本芳男
本心がなかなか書けぬ遺言書 椙元世津
本心がまだつかえてる喉仏 大栗智恵子
追伸の追伸本心ちょっぴりと 上村さな恵
本心を見せぬ男を灰汁抜きに 山本ひさゑ
シンクロが見たいのでしょおとうさん 室田隆司
差しで呑む本心少し聞けるかも 坂下安伸
隠しても親の見破る子の本心 奥平駿曵
うれしいなでも迷惑というそぶり 小山紀乃
裏側をこすれば浮いてくる本音 竹内一人
本心を聞かず仕舞いの花手桶 赤井花城
本心を出せば鬼にも蛇にもなる 橋本凉子
本心を秘めた鏡が反抗す みぎわはな
勘定が足りて心配顔晴れる 室田隆司
気休めを言って本心計られる 山本芳男
本心に返りなさいと柿の種 柿木英一
本心はともかく旨いお茶である 毛利きりこ
本心をそっと神棚から降ろす 青木公輔
本心は胸に納めて花野まで 橋本凉子
足を組み替え本心を出してくる 田中節子
本心を包みきれないオブラート 村上氷筆
本心を寝言で言ったかも知れず 赤井花城
本心はアレだなここだけの話 青木公輔
本心が飛び出しそうな喉ぼとけ 中西保子
本心はお金ですわと云えません 水田象介
肩凝ってつらいともらす下カップ 内田秀章
本心を明かさず閉じた蓮の花 水上たお子
好きなんだろ図星指された慌てよう 村上氷筆
コスモスの迷路でそっと泣きました 毛利きりこ
本心を月が盗んだ帰り道 上村さな恵
街角の花屋に置いてきた本音 柿木英一
嬉しさを隠し佛頂面でいる 椙元世津
きれいごと並べているが金らしい 上原翔
本心を包むとモナリザの微笑 田中節子
覗くまい彼のまなこの奥までは 長島敏子

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「返事」  奥平駿曳 選
イエスの返事握手でかえす月あかり 竹下かすみ
甘い返事にクギ一本が添えてある 青木公輔
行く行くといつもあなたは生返事 前田久雄
百歳の秘訣は無いと言う答え 毛利きりこ
くり返し読む君からのよい返事 仲田秀子
返事待つポストに今日も枯葉だけ 仲田秀子
欠席の返事へ仰ぐいわし雲 前川千津子
土産より重い返事をことずかり 内田秀章
本当の返事は仕草の中にある 島田握夢
ひたすらに返事待ち向日葵は廻る みぎわはな
店番の九官鳥のよい返事 村上氷筆
振り込んだお金が今日の返事です 内藤夢彦
きっといい返事だ記念切手が貼ってある 島田握夢
来る来ない「来る」でやめとく花占い みぎわはな
気が進まないのか返事口ごもり 村上静子
よろこびの文字がおどっている返事 仲田秀子
出欠の返事ぎりぎりまで悩み 福島直球
そして秋返事待つ影長くなる 長島敏子
返事なし多分元気と親心 小島知無庵
伝えたい返事を託すバラ一輪 田中加津子
近況は当日と出すクラス会 上原翔
返事かく生きているから案ずるな 流郷貞子
心ない返事に揺れるねこじゃらし 大栗智恵子
返信の期限昨日と気付く今日 赤井花城
わだかまりあって返事の声曇る 村上氷筆
核心に触れると逃げている返事 中本三桂
ねだっても気のない返事するアナタ 吉川千穂
出欠の欠言訳はせぬハガキ 赤井花城
おことわりの返事きれいな嘘で書く 村上静子
手話で返す心と心通わせて 橋本凉子
絶筆になった母から来た返事 橋本凉子
秋の空大きな声でハイと云う 増田左代子
ハイハイと言うたび用が増えてくる 小山紀乃
合鍵に返事をさせる鈴をつけ 中西保子
賛成に署名をすれば募金箱 室田隆司
メールへは見てる間に着く子の返事 上原翔
断りの返事にペンが進まない 古谷日出夫
妻を呼び返事は無くて足りる用 坂下安伸
出席と返事してからまだ迷う 小山紀乃
生返事ばかり聞える子の扉 竹内一人
二つ返事の軽さに残るある不安 長野峰明
ハイは一回でと煩かった母 水田象介
夜話へ軽いいびきが返事する 神田巳珠
曖昧な返事やっぱり御前様 古谷日出夫
煮え切らぬ返事入金が遅れてる 島田握夢
腹の虫返事の仕方までなじる 奥平駿曳

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「特別」  山本ひさゑ選 
勇み足特ダネ追って大火傷 長野峰明
誰かが居ると目を合わさないふたり 島田握夢
あなただけと言われるお土産に弱い 沼尾美智子
あなただけ私のすべて見せました 小島知無庵
百歳が特別の感ないと云う 村岡義博
敬老の日だけ大事に扱われ 橋本凉子
特別の計らいですと裏くぐる 福島直球
コニシキへリフォームさせるにじり口 村岡義博
父の膳刺身が今日も付いている 毛利きりこ
雨降ってシルバーシートに一人占め 吉川千穂
特別に貸してあげると言う詩集 前川千津子
結納を受け取っている菊日和 上月智恵子
別注の靴跡を追う刑事の目 山本芳男
嬉しい日秘蔵のワイン妻に注ぐ 内田秀章
特別と言うほどでない生まれた日 前川千津子
特別に用もないのにあると云い 椙元世津
お膳眺め今日は何んの日妻にきき 村上静子
人生で最高だった父の愛 吉川千穂
一着のオーダーメイド秋を着る 赤井花城
特別な野望メロンを厚切りに 上村さな恵
結婚記念日妻も忘れていたようだ 島田握夢
特別のお誂えです犬の服 水上たお子
こんなボク選んだキミへ特別賞 村岡義博
母にとって特別な日だ髪かざり 中西保子
好きな人へ仕立券付シャツ送る 村上静子
直筆の宛名心に響くもの 椙元世津
特技などないので自転車で走る 柿木英一
代理には居心地悪い貴賓席 室田隆司
影を振り切って女性専用車両 田中節子
病み上り僕だけに炊く粥の味 古谷日出夫
あなただけと耳打ちされるのに弱い 上原翔
助手席はあなたの為にとってある 長島敏子
特別の美人じゃないが愛想よし 毛利きりこ
特別が重なり濃い目の紅を塗る 上村さな恵
なれそめを語れば辛い腕時計 竹内一人
特別な顧客にされて別室へ 中西保子
なんとなく覗きたくなる特別室 前田久雄
特高に命?がれた鶴彬 村上氷筆
特別に一本多い日は怖い 水田象介
特別の筈があいつも持っていた 水田象介
あなただけにあげるとっておきのジョーク 沼尾美智子
特別の配慮と言われ窓際へ 内藤夢彦
阿吽で解く特別な君と僕 山本芳男
それからが特別に長いものがたり 樋口祐子
取って置きの下着で密かなる決意 島田握夢
特別な距離に余熱の花明り 山本ひさゑ

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ

【出席者】 (順不同・敬称略)
前田 久雄 神田 巳珠 大栗智恵子 長野 峰明 橋本 凉子 流郷 貞子
中西 保子 室田 隆司 奥平 駿曳 小島知無庵 竹下かすみ 村上 静子
内田 秀章 山田 蔦路 椙元 世津 増田左代子 上村さな恵 村岡 義博
坂下 安伸 田中 節子 長島 敏子 古谷日出夫 仲田 秀子 内藤 夢彦
上原  翔 水上たお子 沼尾美智子 村上 氷筆 山本 芳男 吉川 千穂
荒垣 秋野 福島 直球 山本ひさゑ 島田 握夢 田中加津子 毛利きりこ
みぎわはな 豊野 光子 前川千津子 柿木 英一 水田 象介 樋口 祐子
赤井 花城

【投 句】
小山 紀乃 中本 三桂 竹内 一人 上月智恵子 青木 公輔

※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。