平成16年5月30日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「蛍」  吉川千穂 選
名水にほたる乱舞の村起こし 内田秀章
エンジンをかけて出番を待つ蛍 室田隆司
あすなろの木蔭に宿る昼蛍 樋口祐子
不覚にも抱いた情やホーほたる 増田左代子
苦い水好きな蛍の臍曲り 斎藤功
西瓜食う縁側近く飛ぶ蛍 村上静子
ほたる狩り雨に別れたその人と 大栗智恵子
ビアガーデンに飛んでゆくはぐれ蛍 増田左代子
放し飼い蛍はどこか妻の影 山中忠
クラス会童に戻りほたる狩り 小西慶子
渡れない橋のたもとの恋蛍 仲田秀子
蚊帳の中へ蛍とばして寝たむかし 村上静子
蛍ほどの愛をくださいかすみ草 竹下かすみ
一匹の蛍にさわぐ都会の子 古谷日出夫
蛍舞う窓辺が欲しい街のビル 小島知無庵
蛍の光歌う蛍を知らぬ子等 福島直球
幻か私の胸で飛ぶ蛍 尾畑晴代
移り気の蛍を誘う水溜り 長野峰明
生きざまを晒し蛍は闇を飛ぶ 佐藤純一
恋蛍ひと日の逢瀬では足りぬ みぎわはな
恋蛍追って美しかった闇 柿木英一
手のひらの蛍せつなくまたたいて 小山紀乃
頬寄せる二人に蛍火をこぼす みぎわはな
覗き込む子らさみどりに蛍籠 村上氷筆
蛇の目も蛍の様に光るから 水田象介
身の内に蛍千匹灯る恋 村上氷筆
蛍ほうたるあなたの胸へとんでゆけ 小山紀乃
若者が逃げ出す蛍が戻る町 島田握夢
悪女から悪女へとんできた蛍 田中節子
夕凪やほたるが火種つけて飛ぶ 大栗智恵子
戦友から新茶が届く蛍篭 大橋克己
その昔祖母に連れられ蛍狩り 小坂信子
気のせいか蛍にじっと見詰められ 山中忠
蛍火と思うはかない古希の恋 内田秀章
山里の宿で窓ごし見る蛍 里嘉矩
少年と同じ思いにする蛍 里嘉矩
蛍火よ手には持てない温みあり 山中忠
恋しい人の胸をめがけて蛍とぶ 上村さな恵
ほうほう蛍月のしずくを浴びてとぶ 中西保子
イケメンと思たのに臍を噛む蛍 島田握夢
逢いたい日光る身のうちの蛍 小山紀乃
熱いか冷たいか北の蛍の火が燃える みぎわはな
ひと言の甘い言葉を呑む蛍 小西慶子
ほたる乱舞明日の命に挑む刻 樋口祐子
蛍は居たかと言われ口実うろたえる 島田握夢
人間のずるさ忘れる恋蛍 吉川千穂

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兼題  「ジャンプ」  水田象介 選
いそいそと逢いにゆく日のジャンプ傘 仲田秀子
家裁出て笑いとまらぬジャンプ傘 小坂信子
待ちぼうけ別れを決めたジャンプ傘 仲田秀子
少しだけ手助け欲しいジャンプ傘 上原翔
最高のジャンプを見せる好試合 里嘉矩
マドンナのジャンプに赤いトウシューズ 小西慶子
チーターのジャンプ命が一つ消え 村上氷筆
ジャンプする気など無いのに崖っぷち 斎藤功
少しずつハードル上げてアタックす みぎわはな
ジャンプする勇気がなくて平で居る 水上たお子
ランドセルホップステップ帰り道 竹下かすみ
ジャンプした時の余熱はもっている 小坂信子
風うまく使ってK点を越える 赤井花城
ホップステップもうためらいは許されぬ 大栗智恵子
何もかも捨てて貴方とするジャンプ 吉川千穂
風に背を押されバンジージャンプする 佐藤純一
ライバルに挑むジャンプの荷が重い 吉川千穂
合格の孫の後でミニジャンプ 水上たお子
ジャンプしたら九条の行方見えますか 増田左代子
逆転ヒットホームベースでとびあがり 村上静子
縄飛びのジャンプが揃う初夏の空 室田隆司
ジャンプする夢捨てやっと足が地に 奥平駿曳
みんな捨て跳び込む胸に悔いはない 村上氷筆
守備範囲少し広げてジャンプする 上村さな恵
エリートの鯉が滝登りに挑む 内田秀章
若ければバンジージャンプの台に立つ 坂下安伸
ジャンプする女はいつも火種抱く 山中忠
ジャンプした君はレモンの香りする 山中忠
縁あって同じジャンプをする二人 里嘉矩
ジャンプして一級試験受けました 中西保子
飛躍しすぎて周囲に今日もにらまれる 青木公輔
ジャンピングキャッチで救う逆転打 古谷日出夫
憧れの君のジャンプを真似てみる 小山紀乃
催促をした手拍子に乗るジャンプ 上原翔
ジャンプする度に少なくなる仲間 山本芳男
短足を忘れて飛んだ水溜り 大栗智恵子
あーあーあ跳び損なった水たまり 沼尾美智子
よせよせと言いつつ脱衣場へジャンプ 島田握夢
決断の迷い断ち切るジャンプ傘 内田秀章
ジャンプする子の背を軽く押している 荒垣秋野
ジャンプしてぎっくり腰のやせ蛙 長野峰明
佳ラ 結婚へ踏切板を強く踏む 斎藤功
六文銭けちって川をジャンプする 長野峰明
跳び箱のあれから登校拒否になる 島田握夢
禁断の実へジャンプする好奇心 古谷日出夫
ホップステップジャンプして天国へ 水田象介

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兼題  「延期」  みぎわはな選 
雨により延期ばらには罪のないものを 沼尾美智子
雨だから延期しますと雨おんな 小西慶子
マンションを買うまで子作り先送り 内田秀章
延期した理由かあさんの誕生日 田中節子
太り過ぎ会うのは少し痩せてから 小西慶子
締切りが延びて駄作が三つ増え 奥平駿曳
無期延期中止と言えば済むものを 福島直球
日延べした日時ころっと忘れてる 室田隆司
寿命延長命の濃さを引き下げる 奥平駿曳
早々に延期を決めたのに晴れる 福島直球
閻魔さまの都合で延期になりました 柿木英一
延期してよい道連れに逢いました 荒垣秋野
夫婦喧嘩は延期子連れで娘が戻る 山本ひさゑ
死亡届けを百年先に延期する 佐藤純一
引き出しの二千円札欠伸する 竹下かすみ
雨天順延女神が敵に寝返った 村上氷筆
健診はまたにしていざ旅支度 室田隆司
貸した金、延期、延期と、戻らない 尾畑晴代
取り急ぎ延期なみだの乾くまで 沼尾美智子
雨天順延てるてる坊主べそをかき 内田秀章
帳尻が合うまで店は開けられぬ 上村さな恵
雨男は誰れか延期の日も降られ 古谷日出夫
フルコース今日も延期でラーメン屋 山本ひさゑ
マドンナに振り回されるスケジュール 竹内一人
貸した金返却の日を延ばされる 村上静子
延期もへったくれも妻帯者だった 島田握夢
取引きの延期の裏にある打算 水上たお子
ちょっとだけ行こに日延べはありません 内藤夢彦
ワイングラスの底に沈めたのは指輪 吉川千穂
延期した見合い素顔で押しかける 森山勝彦
聴聞聴聞を延期してから気が重い 上原翔
新婚旅行延期のままで五十年 山本ひさゑ
野の花をみつめ戦いは無期延期 沼尾美智子
順延で勝利の女神逃げてゆき 水田象介
期日延ばすと死に神から手紙 佐藤純一
お迎えに、延期、延期と云いませう 尾畑晴代
延期するたびに小さくなる声 樋口祐子
ドタキャンも延期も辛い幹事役 竹内一人
無期限の延期に紅の色も褪せ 荒垣秋野
延期して程よく溶ける果し状 山中忠
無期延期それから友の輪が縮む 山本芳男
胸騒ぎきっと延期のベルが鳴る 樋口祐子
延期です償うことが多過ぎる 前田久雄
私の賞味期限は無期延期 荒垣秋野
海もこころも凪ぐまで待とう小さい舟 上村さな恵
追い風が吹くまで待とうホトトギス みぎわはな

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兼題  「日帰り」  佐藤純一 選
日帰りはぴたり予報の空模様 山田蔦路
女ともだち日帰り旅行すぐ決まる 沼尾美智子
泊まらずに帰る代替わりの実家 内田秀章
日帰りを在来線で行けという 室田隆司
日帰りの温泉旅行土産なし 坂下安伸
日帰りというのにどっさり土産などさげて 青木公輔
帰るのはイヤとパジャマを出してくる みぎわはな
日帰りはペットが家に来た日から 荒垣秋野
アウトロー日帰りにして風に舞う 山中忠
日が暮れる頃には戻るプチ家出 竹内一人
ケイタイで呼ばれて泊れない旅路 赤井花城
泊ってよと切ない声を後にして 内藤夢彦
日帰りで行くのに着替え持たされる 福島直球
日帰りの範囲で許す一人旅 山本ひさゑ
日帰りのように気楽に嫁に行き 奥平駿曳
日帰りの座席疲れだけが残る 大栗智恵子
日帰りのつもりで出たら朝帰り 小島知無庵
別腹も満たし日帰りバスの旅 山本芳男
日帰りは無理だと思うローマ迄 水田象介
日帰りで夜あけのコーヒーあきらめる 仲田秀子
日帰りで昔の人に會いに行く 坂下安伸
海外旅行の日帰りそんな日も来るか 青木公輔
空飛んでとんぼ返りの風の旅 赤井花城
日帰りの出来なくなった俄か雨 山本ひさゑ
日帰りの旅しか医者に許されず 福島直球
日帰りの旅夕映えが山染める 仲田秀子
新幹線が通り出張手当誤魔化せず 島田握夢
日帰りのツアーガイドが舟をこぎ 森山勝彦
日帰りか泊るかカードくっている 田中節子
心変りですか急に日帰りとは 山中忠
日帰りの軽装山に泣かされる 森山勝彦
東奔西走日帰りの旅ばかり 赤井花城
日帰りでもあれこれ重い旅鞄 みぎわはな
日帰りの旅に菖蒲湯が香る 荒垣秋野
日帰りは無理かも地図とにらめっこ 小山紀乃
日帰りのつもりを戦友が離さない 古谷日出夫
人妻が日帰りならと炎を放つ 内田秀章
日帰りで充分羅漢と対話した 柿木英一
日帰りにしよう一寸豪華にしたいので 島田握夢
日帰りのコースゆっくり花めぐり 中本三桂
脚湯して日帰りの旅しめくくる 村上氷筆
日本海を食べるだけ食べて日帰り 沼尾美智子
日帰りの旅情に淡い灯をもらう 上村さな恵
日帰りの袖を放さぬ里の風 長野峰明
日帰りのつもりが母のよもぎ餅 大栗智恵子
土砂降りと渋滞だけの日帰りツアー 佐藤純一

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兼題  「文字」  福島直球 選
晩年を十七文字でリフレッシュ 古谷日出夫
達筆の母に電話で返事する みぎわはな
丸文字の古い日記を拾い読み 神田巳珠
私淑する人から一字貰い受け 赤井花城
横文字の社名に替えて古参切り 内田秀章
お祖父さん筆順チャウと叱られる 内藤夢彦
母の背に指で書いてる願いごと 荒垣秋野
お人柄ほうふつさせる女文字 里嘉矩
自分しか読めない文字の一頁 水上たお子
米粒のような字で書く契約書 みぎわはな
誤字脱字問うまい母の温い文 村上氷筆
母の文字いつも案ずることばかり 山中忠
手のひらに我慢の二文字書いてやり 樋口祐子
青春の日記の文字に若さみる 竹下かすみ
読めもせぬカルテの文字を覗きこむ 小坂信子
なにげなく書かれた文に受けた疵 竹下かすみ
送り火で妙法と書く京の山 尾畑晴代
近頃の見合い男がのの字書く 村上氷筆
誤字脱字詫びて届いた筆無精 竹内一人
どっこい生きている難しい漢字 沼尾美智子
追いついて君の背に書く指の文字 仲田秀子
父の字を真似たら父が近くなる 赤井花城
使い慣れた文字にも深い謎がある 中本三桂
幸運の文字を探す名付親 尾畑晴代
一文字の忍のだるまと旅終る 増田左代子
明細が読めない文字で書いてある 小坂信子
むかつく達筆が謙遜までしよる 島田握夢
指先でなぞれば温い老母の文字 古谷日出夫
横文字の花に時々舌を噛む 上村さな恵
筆先の少し崩れて母も老い 山本ひさゑ
人文字へ若い血潮が沸き上がる 山本芳男
憂うつの文字ルーペ当て諦める 上原翔
個性ある字と褒めた顔笑うてる 水田象介
新聞の文字が躍ったいいニュース 山本芳男
つい読んでみるTシャツの柄の文字 室田隆司
てにをはの一文字狂い出して雨 小山紀乃
寄せ書きの文字が乱れていい仲間 中本三桂
リハビリの手元ゆっくりと文字なぞる 小西慶子
ボクも読めない確かにボクが書いたメモ 佐藤純一
乱筆で失礼ですと綺麗な字 神田巳珠
親展に火種を包む女文字 山中忠
屋号の字さすが老舗のそば處 村上静子
横文字に弱くて視野が狭くなる 中本三桂
人文字が歪む歓喜の逆転打 内田秀章
落日にいま融けてゆく砂の文字 佐藤純一
癖のある文字が切々危機を告げ 福島直球

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【出席者】 (順不同・敬称略)
長野 峰明 中西 保子 内藤 夢彦 山中  忠 村上 氷筆 水上たお子
室田 隆司 神田 巳珠 増田左代子 沼尾美智子 山田 蔦路 柿木 英一
竹下かすみ 大栗智恵子 荒垣 秋野 斎藤  功 内田 秀章 小島知無庵
佐藤 純一 上村さな恵 仲田 秀子 小坂 信子 尾畑 晴代 村上 静子
田中 節子 水田 象介 古谷日出夫 大橋 克己 小西 慶子 坂下 安伸
小山 紀乃 福島 直球 吉川 千穂 島田 握夢 里  嘉矩 みぎわはな
奥平 駿曳 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
山本ひさゑ 青木 公輔 中本 三桂 上原  翔 山本 芳男 竹内 一人
前田 久雄 森山 勝彦

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