令和5年5月25日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「破る」  宮本緑 選
指切りを破った過去を今は悔い 松本光江
紙一枚破ってすっきり晴れてくる 杉本久子
車椅子手摺破れにアップリケ 藤井俊秀
見破られ席譲られた若作り 久山節子
因習の壁を破れず消えた恋 北出北朗
約束を反古にされても信じてる 川村やまと
約束を破った痛み持つ小指 赤井花城
なぜ売れる破れジーンズ摩訶不思議 川村やまと
雪辱を突破した日の青い空 森廣子
殻破り才能発揮ペシミスト 岡田さちこ
我が身にも愛の破局というドラマ 北出北朗
シュレッター無くてもいいの手で破る 河端世起子
約束を破る針千本を用意して 垣内雅美
約束を破って居留守してる父 惠利菊江
流刑地の掟を破る花の棘 垣内雅美
約束を破る自由はあるのです 前川淳
約束を破った女を今も恋う 黒嶋海童
破裂するまで気付けなかった欲の皮 池田史子
四季の色招き入れてる障子穴 岡島錦子
約束を破れる友が側にいる 荒岡浩志
破られた国境と言うお約束 岸本博子
幾山河踏破した妻宝物 池田美保子
想い出のズボン破れば愛は消え 樋口祐子
区画整理下町の情破られる 盧光来
沈黙破る月のきれいな夜だった 長井房子
別れの手紙小さく破り捨てた春 森廣子
子等の夢破る戦争許せない 加藤弘道
神前の誓い破ったけど夫婦 倉周三
息災の日々を破った師の訃報 盧光来
鳴らぬまま破れ太鼓で終りそう 赤井花城
ポケットの破れに指を遊ばせる 山辺和子
世代交代前例などは破り捨て 原戸麻也
破りましょ校則なんてエゴイズム 渡辺純子
約束を破ったツケが来る頃だ 青木公輔
ブロークンハートこれが最後のラブレター 下山田靖子
待ち人は来ずはらりほろりと花時計 下山田靖子
振り向けば破ってみたいあれやこれ 野口修
破られた金庫の中の恋の束 安積貴代美
真面目の殻破ってみたい一度だけ 中村優実子
破顔一笑母は静かに春を逝く 安部美葉
破れたら繕うだけさ愛その他 池田史子
定年後鱗数枚破り捨て 柳沼幸三
破れないペーパーレスにある悲哀 本山恵子
約束を破ったままで友は星 宮本緑

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兼題  「イメージ」  辰巳和子 選
イメージの虚構剥がされた真実 森廣子
ウェスタン聴くと西部劇が見える 北出北朗
電話口イメージしている好好爺 水田蓉子
知り合えばとてもステキな人だった 久山節子
イメージは真面目ズボンの折目から 山辺和子
夏向きの暖簾一枚涼を呼ぶ 岡島錦子
警官のイメージこわす隠しどり 本山恵子
イメージが変わるスターのスキャンダル 荒岡浩志
風みどりどこまで続く平和色 宮本晋子
イメージが少し違った片えくぼ 青木公輔
ロングからショートイメージ塗り替える 山辺和子
家の躾が玄関先に脱いである 盧光来
イメージを壊さぬ様に猫被る 安積貴代美
似顔絵にイメージきざむペンの先 吉村めぐみ
イメチェンで茶髪にしたら袖にされ 北出北朗
知ったかぶり嫌なイメージ恋敵 田中おさむ
美しい電話の声にすぐ惚れる 倉本未生
脱マスクイメージ通りよい笑顔 中村優実子
イメチェンの髪が奏して恋みのる 池田美保子
清純派イメージ今も持つ女優 佐々木たみ子
イメージを躰に記憶アスリート 加藤弘道
イメージで期待持たせるコマーシャル 柳沼幸三
作品にイメージダブり師を偲ぶ 森廣子
黄泉の国イメージ湧かぬまだ生きる 宮本緑
優等生のイメージまとう友の背 佐々木たみ子
イメージを毀したくないしつけ糸 垣内雅美
花を描き海を描き母近くなる 樋口祐子
インスタとイメージ違うパフェの味 加藤弘道
母送るイメージ通りにはいかず 安部美葉
見合い写真と全く違う妻でした 樋口祐子
割烹着つけて昭和の主婦になる 岡田さちこ
イメージを掘れば底なし句の世界 池田史子
将来をイメージ孫の進学路 黒嶋海童
百才をイメージ出来る歳になり 中村優実子
初対面先ずイメージで品定め 伊藤寿彦
クラス会マドンナえらいやつれてる 倉周三
釈迦仏と蓮を枕に平和論 矢野野薫
それからの君を描いていく動悸 野口修
写真とはイメージ違う女が来る 黒嶋海童
喋ったらイメージダウン黙っとき 倉周三
幸せのイメージ持てぬ戦地の子 宮本緑
右顧左眄まだイメージの湧かぬまま 野口修
宇宙へとイメージ広げ見る未来 安積貴代美
イメージをふくらませてるペンの先 辰巳和子

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兼題  「愉快」  荒岡浩志 選
朗報へ楽しい皿がよくしゃべる 久山節子
よく遊び愉快になると叱られた 桂ひろし
極楽へ愉快なままで行けたなら 安積貴代美
ピッチャーで4番打った草野球 村岡義博
子が提げた酒孫が注ぐ愉快な夜 盧光来
愉快な人だ笑い袋を持ち歩く 垣内雅美
ガンなのに医師笑わせるネタ探し 渡辺純子
まだ死ねぬ愉快なことの二ツ三ツ 安部美葉
寝る前に愉快なことを思い出す 川村やまと
今朝も又不愉快な記事目に留まり 伊藤寿彦
夫婦箸笑いのねたを皿に盛る 柳沼幸三
ストレスを聞かれしぶしぶあなたです 松本光江
興奮の坩堝の中にある鼓動 野口修
いるだけでみんな愉快にしてくれる 田中おさむ
世の中を煙に巻いた愉快犯 前川淳
薄気味の悪い顔する愉快犯 黒田忠昭
ネガティブな人生だろう愉快犯 有岡敏晴
AIに愉快を問うて生きるのか 藤井俊秀
ままごとで愉快な茶の間演じる娘 宮本緑
愉快な笑い入って行けぬ遠い距離 森廣子
愉快な顔してはいけない通夜の席 倉周三
会う度に愉快な友に励まされ 水田蓉子
笑い袋さげて友達ひょいと来る 延寿庵野
無二の友愉快を連れてやって来る 盧光来
薫風に愉快な話のって来る 安積貴代美
さよならへ嘘をからませメールする 樋口祐子
すいすいと渡る信号青ばかり 辰巳和子
ゲームして勝てば愉快な顔になる 惠利菊江
数独のスルスル解ける心地よさ 池田史子
宴席は愉快な人のそばがよい 吉村めぐみ
コップ一杯愉快にさせる酒の精 今野美惠子
飲む酒が愉快にしてるバーベキュー 惠利菊江
悲しむ人いれば愉快になれません 岡田さちこ
四年振り桜下愉快な声響き 加藤弘道
煩悩を捨てゝ愉快に老い生きる 黒嶋海童
惚けた振り詐欺師もついにあきらめた 原戸麻也
人の輪の愉快な森に芽がのびる 安部美葉
福の神愉快な家族好きらしい 中村優実子
マスク取り愉快に笑う子等の顔 伊藤寿彦
コロナ菌愉快な刻を食い潰し 加藤弘道
しゃべり過ぎ愉快な嘘が舌の上 山尾ふたば
満面の笑みが愉快を語りだす 野口修
お見舞いに愉快な話題提げて行く 辰巳和子
見え透いた嘘で愉快になる不覚 荒岡浩志

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兼題  「遠慮」  前川淳 選
まだ迷う受けるか遠慮するべきか 岡田さちこ
好物を譲り合う間にネコが取る 中谷光男
譲られて深いお辞儀をして坐る 倉本未生
本当は欲しいがいつも遠慮する 樋口祐子
抱き合って遠慮吹き飛ぶ筒井筒 森廣子
遠慮なく大の字になる里帰り 中村優実子
お互いの遠慮に事は進まない 野口修
遠慮ない言葉に愛が詰ってる 池田史子
遠慮して生きると何も学べない 野口修
あの日から遠慮のいらぬ君と棲む 安部美葉
大家族遠慮してたら飯がない 惠利菊江
遠慮などどこ吹く風の俺・お前 森廣子
姑が嫁に遠慮をする時代 倉周三
春半ば遠慮しいしい降る小雪 有岡敏晴
ミサイルが遠慮もせずに威張ってる 柳沼幸三
やんわりと「ご遠慮します」NOの時 水田裕子
遠慮なんかすると断捨離できやせぬ 盧光来
お互いに遠慮し合って食べ残す 山尾ふたば
遠慮などしてたら生きてゆけぬ国 赤井花城
バイキング遠慮は捨ててさあ食うぞ 加藤弘道
ずけずけと物言う娘だが憎めない 河端世起子
二次会は遠慮しますと席ぬける 今野美惠子
正論が言い出しにくいとこにある 有岡敏晴
遠慮なく過る月日に追いつかず 矢野野薫
程々の遠慮で暮らす嫁姑 中村優実子
何となく遠慮したから愛繋ぐ 藤井俊秀
ほどほどの遠慮たまには自己主張 岡田さちこ
遺言書見たら消えます遠慮顔 黒田忠昭
お互いに遠慮し合って機を逃がし 伊藤寿彦
好きだから遠慮してるの分かってよ 盧光来
遠慮などしなきゃよかったうしろ髪 池田史子
顔触れを見て飲み会は遠慮する 倉周三
遠慮せず普通に食べる気の遣い 山内迪
避けたいな遠慮会釈のない人は 川村やまと
遠慮の意味学ばぬままになる大人 宮本緑
「さあどうぞ」言われるまでは手をつけぬ 田中おさむ
酌みあえばみんな遠慮のない会話 辰巳和子
B面のわたしは遠慮などしない 垣内雅美
好意だけ受け取りますと遠慮する 伊藤寿彦
遠慮げにそっと顔出す野のすみれ 池田美保子
遠慮した末席に置く主義主張 垣内雅美
遣り終えた途端遠慮が横を向く 荒岡浩志
遠慮した数だけ赤い花が咲く 安部美葉
いかほどの損したか_遠慮人生 前川淳

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兼題  「余白」  みぎわはな選 
平日は余白を埋める瀬戸の海 藤井俊秀
人生の余白タイムにあるゆとり 岡田さちこ
吾が余白唯我独尊しています 桂ひろし
箱庭の余白をうめる雪の下 吉村めぐみ
若き日の余白に書いた恋の文字 森廣子
余白には赤い小さな?のマーク 下山田靖子
たっぷりと余白私を楽しむ日 垣内雅美
白と黒余白芸術書道展 加藤弘道
人生の余白楽しい色を塗る 山尾ふたば
終章の余白を埋める一行詩 辰巳和子
ひたむきに生きて人生余白なし 倉周三
何だっけ余白に書いたこの数字 岸本博子
余白なく必死に生きた終戦後 加藤弘道
余白には喜怒哀楽が詰めてある 前川淳
歳時記に自家製の季語書き入れる 赤井花城
追伸の余白「つづく」と書いておく 倉本未生
母の文余白に本意書いてある 黒嶋海童
遺言の余白の重み春の宵 垣内雅美
何か足りぬ心の余白埋めるもの 田中おさむ
闘病記最後の余白ありがとう 原戸麻也
余白には夢の続きを飾りたい 松本光江
余白でもあなたのそばにいたいのよ 河端世起子
終章の余白を埋める君の笑み 田中おさむ
埋め忘れ余白のままに老いてゆく 水田裕子
余白から人の本音をおしはかる 佐々木たみ子
言い過ぎず余白を混ぜるお説教 本山恵子
ええ歳やし別にすることあらへんし 盧光来
人生の余白じゃないよ遊行期 川村やまと
戦後史の余白にポトリ負の涙 山辺和子
後編を飾る余白に朱をたらす 安部美葉
人生の余白多目に取っておく 安積貴代美
終章の余白へ少しだけ弾け 久山節子
余白ありすぎ自分史が駄々捏ねる 倉本未生
短い手紙余白が何か言いたそう 山尾ふたば
自分史の余白に辞世入れておく 赤井花城
以下余白言いたいことは言いました 山内迪
想いのたけ書き綴ったよ以下余白 川村やまと
余白二十年あっただろうか他の道 村岡義博
好奇心余白どんどん色を塗る 柳沼幸三
どうしても余白許せぬ几帳面 水田蓉子
真実を書くため空けてある余白 有岡敏晴
未来地図描くは余白足りませぬ 野口修
香水が余白を埋めるラブレター 中村優実子
余白たっぷり心の広い妻と居る みぎわはな

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
延寿庵野 青木 公輔 惠利 菊江 斉藤美代子 川村やまと 渡辺 純子
田中おさむ 下山田靖子 藤井 俊秀 柳沼 幸三 矢野 野薫 宮本  緑
北出 北朗 荒岡 浩志 岡田さちこ 水田 蓉子 久山 節子 野口  修
中村優実子 吉村めぐみ 安部 美葉 岸本 博子 加藤 弘道 原戸 麻也
山尾ふたば 山辺 和子 安積貴代美 倉  周三 水田 裕子 桂 ひろし
前川  淳 河端世起子 黒田 忠昭 盧  光来 森  廣子 岡島 錦子
山内  迪 今野美惠子 村岡 義博 伊藤 寿彦 松本 光江 黒嶋 海童
有岡 敏晴 辰巳 和子 中谷 光男 池田美保子 垣内 雅美 池田 史子
宮本 晋子 本山 恵子 平川 厚子 倉本 未生 佐々木たみ子 田口 春子
杉本 久子 長井 房子 樋口 祐子 赤井 花城

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