令和5年3月22日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「曲がる」  下山田靖子選 
入札の紆余曲折が暴かれる 田中おさむ
風習を曲げて嫁から妻になる 渡辺純子
曲がる背が苦労の証し説く月日 惠利菊江
寄り道蛇行いつか役立つ時が来る 岡田さちこ
曲がる腰_友の姿に明日の我 斉藤美代子
入社式曲がったタイを締め直し 加藤弘道
妥協する余地を自問の曲がり角 荒岡浩志
ポリシーも曲げて手の鳴る方へ付く 北出北朗
曲線を直線にする得意技 前川淳
曲げ伸ばし自由に出来る膝を誉め 安積貴代美
あの角を曲がると思い出の質屋 黒田忠昭
へそ曲がり故にまっすぐ生きている 濱田英明
大小のカーブ描いた人生路 岡島錦子
さよならがもう聞こえない曲がり角 山尾ふたば
雨の日は雨の心で膝を曲げ 樋口祐子
いろは坂桜に溶けるツアーバス 延寿庵野
曲芸に生きサーカスの家族の輪 赤井花城
しなやかに曲がりくねった父の指 宮本晋子
曲がり角監視カメラの包囲網 村田博
六甲山免許返納決めました 本山恵子
酒飲んで饅頭つまむへそ曲がり 盧光来
人格と背中はストレスで曲がる 有岡敏晴
慎重に打っても曲がる釘も有る 森廣子
春おぼろロバのパン来る曲がり角 桂ひろし
曲線美誇った腰も今ダルマ 池田史子
山坂もくねった道も 一里塚池田美保子
ストレートに答返出来ぬ議員達 伊藤寿彦
曲がるたび女の意地が加速する 惠利菊江
釘一つ曲って出来ない棚一つ 今野美惠子
紆余曲折あって人生面白い 延寿庵野
つづら折なんとか越えて女坂 岸本博子
曲がり角曲がり曲がって古稀の肌 岸本博子
何事にも苦言をひとつ臍曲がり 黒嶋海童
抜いた釘くの字への字にすぐまがる 桂ひろし
かたむいた老梅みごと花が咲く 吉村めぐみ
曲がるまで背伸びして見る娘の車 松本光江
この歳でまた人生の曲がり角 宮本緑
意のままにならぬ米寿の曲がり角 垣内雅美
ネクタイもつむじも曲がる口曲げて 水田裕子
人になる為に覚悟の曲がり角 荒岡浩志
優柔で子に打つ釘がすぐ曲がる 黒嶋海童
曲がっても笑って流して福の神 斉藤美代子
曲がり曲がってやがて父なる大河へと 安部美葉
ふと曲がるお花畑に蝶の舞う 下山田靖子

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兼題  「湖」  濱田英明 選
海よりも琵琶湖くらいの人が好き 渡辺純子
湖へ乙姫様に逢いにゆく 垣内雅美
青春の思い出湖畔ひとり旅 岡田さちこ
ネス湖にはネッシー居ると盛り返す 中谷光男
宍道湖に愛光らせて冬沈む 宮本緑
ダム湖から遠い昔の声を聞く 松本光江
ふる里はダムの底なり春彼岸 桂ひろし
雑談が湖面を混ぜて渦を巻く 荒岡浩志
田沢湖の深さに負けぬ愛がある 荒岡浩志
阿寒湖のまりも汗かく温暖化 有岡敏晴
遊覧船楽しんでます遺書は済み 本山恵子
ネッシーの波紋鎮まり凪ぐ湖面 岸本博子
胸の湖あふれ告白できた恋 北出北朗
在りし日の思い出琵琶湖周航歌 有岡敏晴
昔来た湖畔の宿で君忍ぶ 倉周三
月の湖満ちて間もなく呱々の声 北出北朗
水瓶の琵琶湖泣かせる外来魚 岡島錦子
琵琶湖より暮しをもらう滋賀の民 矢野野薫
バイカル湖戦争などは望まない 原戸麻也
春霞比良を写して鳰の湖 久山節子
恩がある琵琶湖に感謝春うらら 河端世起子
ネッシーを追った話題の今昔 水田蓉子
厳寒を耐える湖畔の乙女像 加藤弘道
フルムーン湖畔の宿の灯が温い 山辺和子
想い出の欠片沈めた白樺湖 水上礼子
ふる里はダム湖の底に眠る村 安積貴代美
春を呼ぶわが故郷の鳰の湖 長川哲夫
湖に心を許し許される 赤井花城
母の掌の湖どこまでも深い 野口修
阿寒湖の底でマリモがよく喋る 延寿庵野
宍道湖で貝塚ほどの蜆たべ 矢野野薫
ふる里は涅槃寂静湖の底 桂ひろし
おぼろ月湖上にゆれて人を恋い 樋口祐子
トラウマで湖怖いアカンたれ 今野美惠子
朝を採る湖上の投網_靄の中 池田美保子
美しい琵琶湖命の水となり 中村優実子
ふるさとが眠るダム湖の底の底 原戸麻也
胸奥に抱いて静かな母の湖 長川哲夫
湖に負けない父の広い背 野口修
山頂に釣り舟浮ぶ河口湖 加藤弘道
いつまでも私ピチピチ琵琶湖産 池田史子
湖の底に沈めて来た仮面 辰巳和子
尊厳を湖面に写し富士の山 黒嶋海童
神様の一途な恋か御神渡り 濱田英明

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兼題  「無」  矢野野薫 選
今日誰も来客は無し平和な日 田中おさむ
老境に今日も楽しい無駄話 山尾ふたば
無意識に吐いた言葉にある本音 倉周三
心にも無いお世辞です悪しからず 濱田英明
ちょっとした温い言葉に感無量 水上礼子
無学でも亡父の教えは身に沁みる 盧光来
無茶も無理もいっぱい持って子は育つ 原戸麻也
好意すら無にしてしまう反抗期 惠利菊江
無礼者!一喝したいことばかり 松村數代
無理しなや大丈夫かと助け船 森廣子
呼び捨てて呼び捨てられて無二の友 有岡敏晴
無になれと私をさとす歎異抄 下山田靖子
作ろうか止めようか肩書のない名刺 黒田忠昭
無理強いはすまい根廻し伸ばす蔓 池田美保子
反論はせずに度量の無表情 野口修
人間の無力噂に泣かされる 山内迪
無理をせず私は私らしく生き 中村優実子
他人の為無償の汗に降る讃歌 池田史子
無位無官これほど強いものはない 前川淳
無欠勤の汗は尊いものである 青木公輔
定年後スケジュール帳白いまま 河端世起子
無印になった夫の弾け振り 久山節子
本来は無一物なり山頭火 桂ひろし
故郷の墓やがて詣でる人も無し 松本光江
南無阿弥陀仏無心になれる朝の経 今野美惠子
誘われて挑む坐禅の無の境地 赤井花城
無事祈る母の背丸くやわらかく 安部美葉
お母さん無上の愛をありがとう 斉藤美代子
無人駅で花を育てている老女 西島とこ
冷かしのつもりが無駄を買わされる 山辺和子
老いひとり余分なお金ありません 吉村めぐみ
無のような時間のみ過ぐ老ふたり 平川厚子
呱呱の声無限の夢を秘めている 柳沼幸三
ホヤホヤの命が叫ぶ夢無限 延寿庵野
私には絶対なれぬ無の境地 濱田英明
物価高冷蔵庫の無駄をみる 原戸麻也
道草は無駄でなかった男の譜 山辺和子
無になれば見えないものが見えてくる 辰巳和子
無駄ばかり積んで生きたと悔んでる 黒嶋海童
ユーモアを無口の母が売り歩く 樋口祐子
いのちの旅終えて人みな無に還る 岡田さちこ
真っ白い紙と向きあう無の時間 辰巳和子
もう何も恐いものなし無一文 倉周三
呆気無いバカ殿さまの死を悼む 矢野野薫

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兼題  「明暗」  黒田忠昭 選
ワイングラス重ねた指の明と暗 水上礼子
ルーレットの止まり具合が運不運 青木公輔
一ミリが明暗分けたW杯 加藤弘道
明暗を分けた心の震災忌 長川哲夫
神の賽明に転んだ日の歓喜 山辺和子
勝ち負けの予想外さぬオクトパス 村田博
塞翁が馬明暗を繰り返す 松村數代
明暗を分けたあの日の小さな嘘 西島とこ
線一本で明暗分けるあみだくじ 盧光来
受験票一番違い明と暗 中村優実子
明暗の定義は持たぬ楽天家 垣内雅美
舞うさくら出合があってわかれた日 下山田靖子
両脇に全没の友_天の友 黒嶋海童
裁判で明暗つけた遺産分け 吉村めぐみ
明暗を見おろしている鬼瓦 桂ひろし
地震地獄明暗分ける救いの手 今野美惠子
明暗を上手に生かす水墨画 延寿庵野
ハリケーンの明暗くっきり爪の跡 池田美保子
明暗を分けた根廻し下準備 池田史子
明暗を座席が分けた空の旅 松村數代
明暗を分けて素気無い風が吹く 荒岡浩志
嫁はんはお通夜でわしは披露宴 北出北朗
大地震明暗分けた活断層 田中おさむ
明暗を分けて散る花開く花 安積貴代美
明暗を分けるトップの政治力 伊藤寿彦
明暗の暗は忘れて老いを生く 安積貴代美
判断が明暗分ける冬登山 柳沼幸三
行く先に明暗が待つ阿弥陀籤 延寿庵野
スポットライト浴びて女優の深い陰 山尾ふたば
明暗を分ける一球指の先 岡島錦子
棋聖戦明暗分けたあの一手 加藤弘道
漱石が思いめぐらす家族愛 長川哲夫
受験生その一点に泣き笑い 河端世起子
生と死を分けたあの日の避難場所 原戸麻也
勝敗の明暗わけた稽古量 北出北朗
明暗を気にせず人の道進む 山内迪
離婚再婚おだやかな春七年目 下山田靖子
明暗の命を今日も生き延びる 赤井花城
マスクとれウクライナ記事読みふける 樋口祐子
明と暗積んで崩してきた齢 野口修
明と暗まるく混ぜ込み生き上手 岡島錦子
明暗のバランス可愛いパンダ達 水上礼子
暗い世へ明りを灯すボランティア 矢野野薫
お日さんの輝く顔に艶黒子 黒田忠昭

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兼題  「脆い」  赤井花城 選
人の愛脆い私は救われて 斉藤美代子
若者の脆さ空気っ腹を知らぬ 盧光来
ひとつ覚えてふたつ忘れる脆い歳 盧光来
ひと言で友人無くす勇み足 村田博
禁煙の誓い三日ももちはせぬ 黒嶋海童
一pの段差で転ける脆い骨 今野美惠子
巨大ビル粉塵と化すテロ一機 岸本博子
友情の脆い絆へ石礫 水田蓉子
カルシューム不足か脆い足の爪 樋口祐子
愛なんて脆いものだと知る傘寿 田中おさむ
友情の脆さに壁が崩れだす 惠利菊江
ガラスのハート鍛えても鍛えても 西島とこ
老いを知る心の脆さ昨日今日 黒田忠昭
朝ドラで涙腺ついに脆くなる 柳沼幸三
年老いてフレイル病に見舞われる 前川淳
裏切られ人の脆さを思い知る 荒岡浩志
落ち込めば強く生きよと自己叱咤 岡田さちこ
甘言に鉄のガードも溶かされる 伊藤寿彦
脆さゆえ引き摺りながらマスク付け 藤井俊秀
軍費増し保つ平和の危うさよ 池田史子
平和とは脆い戦火と言う魔物 濱田英明
老いるとは爪の先まで脆くなる 吉村めぐみ
信じてた愛の脆さを知る椿 宮本緑
独裁者一人居て崩れる平和 山尾ふたば
三年目誓いの言葉脆くなる 中村優実子
大氷河脆く崩れる温暖化 岡島錦子
人間の脆さ弱さを知る津波 延寿庵野
ずっと好き脆くはかなげ夢二の絵 水田裕子
脆い所補い合ってきた二人 山辺和子
メンタルをボディを脆化する加齢 有岡敏晴
脆さ見せず明るく優し人の性 渡辺純子
脆弱な地盤に潜む人の罪 安積貴代美
露呈した脆さにバラは散り急ぐ 安部美葉
命生む女が脆い訳がない 辰巳和子
力強さも脆さも染みた母の櫛 安部美葉
自由という捨て難きもの脆きもの 原戸麻也
この星は皆んなで守ろう脆いから 水上礼子
多様性認める社会脆さ秘め 久山節子
便利さに慣れ脆弱になるヒト科 北出北朗
フクシマ忌脆さ問われるまつりごと 長川哲夫
出土した鉄剣もろい春おぼろ 桂ひろし
人間の脆いこころが抱く凶器 野口修
涙腺が脆い母似のDNA 加藤弘道
薄氷をいくたび踏んできた命 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
斉藤美代子 田中おさむ 渡辺 純子 柳沼 幸三 惠利 菊江 岡田さちこ
加藤 弘道 荒岡 浩志 北出 北朗 前川  淳 安積貴代美 山辺 和子
野口  修 安部 美葉 矢野 野薫 吉村めぐみ 黒田 忠昭 河端世起子
青木 公輔 水田 蓉子 濱田 英明 中村優実子 西島 とこ 岡島 錦子
久山 節子 原戸 麻也 水上 礼子 長川 哲夫 藤井 俊秀 山尾ふたば
宮本  緑 今野美惠子 松本 光江 延寿庵野 山内  迪 倉  周三
中谷 光男 宮本 晋子 松村 數代 辰巳 和子 水田 裕子 黒嶋 海童
岸本 博子 村田  博 盧  光来 有岡 敏晴 森  廣子 桂 ひろし
垣内 雅美 下山田靖子 平川 厚子 本山 恵子 池田美保子 池田 史子
伊藤 寿彦 樋口 祐子 赤井 花城

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